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『孟子』81滕文公下―孟子と戴盈之の対話 おかしな盗人

*今回は、宋の大夫である戴盈之(たいえいし)との対話です。
戴盈之は、宋の税制の変更について、孟子に相談にやってきました。

戴盈之は言った。

「十分の一の課税をさだめて、関所や市場の税を廃止しようと思うのですが…、さすがに、今年はできません。

そこでまずは、すこし減税を行い、来年を待ちます。
それから、これらの税を廃止しようと思うのです。
いかがでしょう。」


孟子は言った。

「今ここに、毎日のように隣の家の鶏を盗んでいく者がいたとします。
そこで、ある人が彼に忠告をして言うのです。

〈そういうことは、君子の道ではないよ。〉

すると、この盗人は言いました。

〈そこでまずは、盗む回数を減らして、月に一羽盗むことにします。
そして、来年を待って、それから盗みをやめようと思います。〉

その行いが、義ではないと理解しているならば、すぐにやめることです。
なぜ、来年まで待たねばならないのですか。」

*以上、『孟子』81滕文公下―孟子と戴盈之の対話 おかしな盗人 

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【原文】
戴盈之曰、「什一、去關市之征、今茲未能。請輕之、以待來年、然後已、何如。」孟子曰、「今有人日攘其鄰之雞者、或告之曰、〈是非君子之道。〉曰、〈請損之、月攘一雞、以待來年、然後已。〉如知其非義、斯速已矣、何待來年。」

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