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『孟子』告子下194ー孟子と淳于髡の対話(2)名実を捨て、仁をふむ
◆全訳はこちら↓
*今回は、斉の淳于髡(じゅんうこん)との対話です。
淳于髡は言った。
「国家を治める名誉、そして民に恵みを与えた実績、この二つを兼ね備えた〈名実(めいじつ)〉をまず先に考える者は、人々のために行動する人物です。
そして、この名実を後まわしにする者は、自分のために行動する人物です。
さて、先生は、三卿(さんけい)の地位にありながら、名実を上から、下まで及ぼすこともせず、斉を去ってしまわれた。
仁者とは、そもそも、そういう人間なのですかね。」
孟子は言った。
「低い地位にあり、賢者でありながらも、不肖の君主には仕えなかった者。それが伯夷です。
五度も殷の湯王のもとで就官し、五度も夏の桀王にすら就官した。それが伊尹です。
腐敗した君主を憎まず、たいした官職でなくとも辞退しないのが柳下恵です。
この三人は、道は同じではありませんが、その踏もうとしている場所はただ一つなのです。」
淳于髡は言った。
「なるほど、その一つというのは何ですか。」
孟子は言った。
「仁です。
君子もやはり、ただ仁を目指すのです。
ですが、もちろん同じやり方である必要はありません。」
*以上、『孟子』告子下194ー孟子と淳于髡の対話(2)名実を捨て、仁をふむ
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