『孟子』万章下154ー孟子の言葉(54) 集大成―聖と智の役割

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孟子は言った。

「伯夷は、聖人の中でも清廉な者である。
伊尹は、聖人の中でもすべてに責任を感じる者である。
柳下恵は、聖人の中でも人との調和を大切にする者である。
孔子は、聖人の中でも、時勢にしたがう者である。
つまり、孔子は、彼らの集大成、と言える。

集大成というのは、鐘を鳴らして磬(けい)などの玉や石製の楽器で演奏を終えることである。
鐘を鳴らすのは、曲のながれを始めること。そして、玉や石の楽器は、曲のながれを終えるということである。
曲のながれを始めるのは、智(ち)の仕事である。
曲のながれを終わらせるのは、聖(せい)仕事である。

智は、例えるなら弓を射る技術である。
聖は、例えるなら弓を引く力である。

百歩の距離から弓を射るとしよう。
矢が届くかどうかは、弓を引く力による。
だが、矢が当たるかどうかは、引く力によるものではないのである。」

*なお、このカ所は「集大成(しゅうたいせい)」の出典です。
ちなみに、書き下しにすると「集めて大成す」となります。

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