『孟子』離婁下129ー孟子の言葉(45)性と智の共存

I 孟子は言った。

「天下で、性(せい)について…、つまり、モノがそれぞれにそなえる性質について、議論する場合、元々の性質だけに目を向けがちだ。
だが、元々の性質というものは、どのように役立つのか、つまり利益になるのか、という基準で選ばれたものにすぎない。

さて、智(ち)が憎まれることがある。
それは、モノがそなえる性(せい)を破壊してしまうほどに詮索ばかりするからである。

だが、たとえ智があっても、禹が、河川を整えたようにすれば、智であることに、憎むべき欠点などなくなる。
禹が河川を整えたのは、何も無い所に水を流したということだ。
もし智者が、禹と同様、何も無いところに、なにかをもたらすことができたならば…、
智はやはり偉大なものとなるのだ。

天は高く、星々は遠くにあるが、その過去の運行を調べることができたならば…、
千年後の冬至であろうと、座ったままでも予測できるのである。」

*以上、『孟子』離婁下129ー孟子の言葉(45)性と智の共存

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