見出し画像

《川渡り問題》

 「川渡り問題」という論理パズルがある。ヤギ·狼·キャベツ·人をボートで向こう岸に送るというもの。これには条件があり、運転できるのは人のみ。ヤギと狼·ヤギとキャベツは一緒のボートに乗せられないというようなものである。これが実際に起きた時そこではどんなやり取りが起きていたのだろうか。

 困った。向こうに行きたいのに、ボートは一つしかない。ボートは二人乗り。
「主、どうするでやんすか?」
退屈そうに狼が聞いてきた。
「ぼ、僕は狼さんとキャベツとは乗れないよ」
涙目でヤギが訴えてきた。
「一緒なら食べちまうでやんすね」
…わざわざ言わんでも。ほら、ヤギが泣いちゃった。
「狼、キャベツ食うか?」
口を開かなくても汗をかいているキャベツがいる。
「主はオレを何だと思ってるでやんすか?狼でやんすよ?肉が好きでやんす。キャベツは食わないでやんす。でも主は食べちゃうぞー!」
ガオーというポーズを取る狼。
「んな、ありもしないこと言わんでいい」
狼とは二人きりになっても食われたことがない。
「ヤギはキャベ…おい、何してるんだ」
ヤギがキャベツを齧っていたので頭を叩いた。キャベツは俺の懐に逃げるように飛び込んできた。
「だって…お腹空いたんだもの」
「主、ヤギの尻尾食べていいでやんすか?ハラ減ったでやんす」
「やめなさい。けど、そういうことだ、ヤギ」
ヤギは謝ったつもりなのか「メェ〜」と短く鳴いた。ただこうしてはいられない。
「ヤギ、ボートに乗れ。キャベツと狼はここで少し待っててくれ」
「運転していいの?」
「助手席だ!」
キャベツと狼をこちらに残し、俺はヤギと向こう岸に向かった。

〜コメント〜
論理パズルが好きで、論理パズルの本を読んでいる時に思いつきました!
この問題を知らない方は1度調べてみてください!
パズルが好きな方は楽しいと思います!
他にも囚人のジレンマなど面白い論理パズルがあります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?