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公園

 同じクラスのあの子が気になっている。
学校が終わった放課後、僕らは公園で遊ぶのが日課だ。サッカーをするグループ·カードゲームをするグループ·話をしてるグループ等々何をするかだいたい決まっている。僕はカードゲームのグループだ。スポーツが出来るわけでも、勉強が出来るわけでもない。クラスではそんなに目立たない僕だけれど、そんな僕にも好きな子くらいいる。教室では声をかけられない。その子は放課後の公園に来て、話をしている。きっとその話題の中に僕なんて出ていない。何か1つでも秀でるものがあれば話題になっていたかな。

 今日も変わらず公園へ。カードゲームで遊んでいると
「きゃっ!」
「大丈夫?」
「男子、あんたたちのせいで怪我人出たじゃん!謝んなよ!」
「立てる?」
声する方を見ると僕の好きな子がこけていて、膝から血を流していた。どうやら飛んできたサッカーボールを避けようとしてコケてしまったらしい。
「絆創膏持ってる?」「私ない」「私も」
女子は誰も持ってないんだ。僕はあの子の所に行って、消毒液と絆創膏を差し出した。
「これ、使っていいよ」
「あ、ありがとう」
「…どういたしまして」
「いつも絆創膏持ち歩いてるの?」
「指を怪我しやすいから」
絆創膏をつけた親指を見せるとこの子はくすくすと笑いだした。僕はカードをシャッフルする時にスリーブをつけていないから、指を切りやすいのだ。なので怪我をしやすい。僕の秀でる唯一のものかもしれない。
「血止まったみたい。本当にありがとね!」
満面の笑みを見せられ、僕は気恥ずかしくて素直になれず
「気をつけなよ」
なんてぶっきらぼうに言ってその場を去ってしまった。

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