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思い出

そうだ旅に出よう
そう思ったのも妻に先立たれてからというもの何もやる気が起きずただ毎日が過ぎていた。
テレビをつけると幸せそうに笑う人々がいる。
それを見ていられる精神状態ではなかった。
本を開けば大抵一組は夫婦が出てくる。
こいつの妻は生きている。
そう思うと心の奥底から嫉妬心が湧いてくる。
だが、このままでは良くない。
この俺を見て妻が喜ぶ訳がない。
妻とは様々な所に旅行したり。
辛いかもしれないが前へ進もう。
仏壇の妻の写真が心做しか笑った気がした。
それだけで伝わった。

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