屋外における視覚障害者のスマホの使われ方

私はスマホの画面が見えない視力になりつつあります。並行して、友人と音声なびアプリをゼロから開発し、それで毎日歩いております。

その体験から 「視覚障害者を前提としたアプリ、とりわけ屋外で使うアプリを開発するにあたっての留意点、あるいはノウハウをまとめてみました。

最初に結論を言うなら「開発者自身が目隠しをして使えないようなアプリは、視覚障害者も使えない」ということです。

トヨタの車の設計者は、だれよりも一番、自分で運転して確認するはずです。
開発者は、動作原理はもとより、機能やボタンの位置など、だれよりも詳しいはずですから。

はじめに
 「メガ見えなくなると、晴眼者にはない特殊な能力がそなわる」は、まったくの誤解。彼らは、迷子と衝突・転落の恐怖と隣り合わせで歩いているのです。

★ 彼らは、画面をなでまわして、その時の音の反応でボタンを見つけて叩きます。うるさいところではそれもままならないです。

★屋外で、右手に白杖をもった状態でスマホを操作するのは姿勢が不安定になる。周りがみえないと、よろめきやすく、とても危険です。
⇒ 
指先のジェスチャーや、シェイクなのの加速度を使った入力操作を活用して、ボタンのタップを極限まで減らす。

「歩きスマホは危険」というリマインドが出るアプリがあるが、まったく現場を知らない人のことばです。

★ 画面が見えないと、アプリが起動しているのか、そも電源が入っているのかどうかすら分からない。
衝突して文句を言ったら「だって、アプリが動いていませんよ」と言われたのではたまらないです。

⇒間欠的に音かバイブで状態を告知する必要あり。

★ 画像処理はCPUパワーを食うため、電池を消耗する。電池切れになったときは、通話すらできなくなる。また、夏季にはオーバーヒートの危険もアル。

★ 左手にスマホを持っては歩けない。身体に装着する手段をあわせて提供する必要あり。

むすび
既存の晴眼者前提のアプリを改修して使うことは考えないほうがよい。ぜろべーすからのスタートを提案します。

そして、開発者自身が目隠しをして使ってみることです。 これが一番重要。

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