なぜ使われない支援技術の開発が続くのか

視覚障害者の生活や移動を支援する技術(assistive technology)が多く提案されている。

それらを総轄した英語の論文がいくつか出ている。

インドの人
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6453076/

中国の人
https://www.mdpi.com/1424-8220/23/2/869

いずれも晴眼の研究者が書いたもので、包括的かつ客観的である。 いい論文です。

端的に言えば「どれも、困難さの一部分を緩和するものばかりで、いまだ満足のいくものはない」 「特定の技術を実現することを主眼としてもり、障害当事者のニーズにもとづいていないものが多い」と、クリティカルである。

使われないような開発が継続的におこなわれ、あたら開発資源が無駄遣いされるのはなぜか? この10年ほど、ずっと考え続けてきた。

「どんな技術でも、step by step だから、否定ばかりしていてはダメだよ」と忠言する方もおられよう。否、どんな場合においても、まずはユーザーのニーズの分析からスタートすべきである

たとえば、子育て中の母親をターゲットにした軽自動車を企画するときの手順を考えてみればすぐにわかるはず。

ただ、多くの視覚障害当事者は「私は技術に詳しくないので・・・・と自己紹介するだろう。ここにもう一つの問題がある。

さらに、折角自分たちのことを考えてやってくれている人に「そんなもん、使わないからやめとけ」とは言い鋳にくい。

私も高齢になったので、このあたり、今までの考察を整理しておくことにする。

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