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腫瘍患者の矯正食事

「B17 第2巻 癌クリニックの体験」(1979年初版発行 著者:ジョン・A・リチャードソン 訳者:渡辺正雄、河内正男、小笠原治夫 監修:河内省一 ノーベル書房)を紹介します。
※で囲んだ文章はシン・説が僭越ながら解説している部分です。
 
※「癌クリニックの体験」の最後は、腫瘍患者の矯正食事です。※
 
癌のような「代謝病」にどう対処しなければならないかといえば、今までの「間違った食生活」を改め、急いで厳格な生果実や生野菜などの養生法に切り替えなければならない。
病気に襲われた愛する家族を助けるために、魔法の素晴らしい自然食類をすべて組み入れるべきである。
この時に起こる唯一の問題は、肉とじゃが芋にならされて来た消化系路が急に「うさぎの食事」にさらされて、苦痛の余り悲鳴を上げることである。
そこでこの注意の次に、この新しい食事を出来るだけ簡単にわかりやすく説明してみよう。
私ども(リチャードソン診療所)の食事法は、原則的に新鮮な果実、野菜および穀類が主である。
この食事法から除外する唯一のものは、すべての動物性たんぱく質であり、すべての肉類(ビーフ、ポーク、魚類、家禽類)および、すべての酪農製品(ミルク、クリーム、チーズ)である。
私たちは以前の食事法で、魚類とか家禽類をある限られた量だけは許可していた。しかし、経験してみて、多数の極めて重症の患者、とくに腫瘍が広がっている場合には、この動物性たんぱく質から加わる代謝の負担に耐えられないことがわかった。
筋書き通りの食事を守った患者は、自分から動物性たんぱく質を最少摂取量に制限してきた人であることを私たちは観察してきた。
食事から動物性たんぱく質を除外したのは、主に二つの理由がある。
(一)すべての主要栄養素のうち、動物性たんぱく質は消化および同化作用のために、最も長い時間と化学的エネルギーを必要とする。エネルギー源になる食物は「炭水化物」が望ましい。
(二)肝臓や膵臓を含む消化器系が適切に機能しなければ(癌患者にはこのケースが極めてしばしば起きるが)、動物性たんぱく質は不完全消化となって、とくに大腸で腐敗することがある。この時には、必須アミノ酸でなくて、むしろ、極めて毒性の強い代謝副産物(アンモニア、アミンなど)が形成される。
これらの物質は、すでに負担のかかりすぎている肝臓にさらに歪みを加え、また、正常組織の重要な生化学的な営みを妨害する。
食事から動物性たんぱく質を除外しても、食べている果物や野菜から、あるいは、処方箋に組み入れた錠剤から、十分なアミノ酸の摂取は確保できる。
入手できる市販の牛乳や肉の代替品がたくさんある。豆乳およびヤシの実ミルクはとくに推奨できる。少々のバターは使ってもよいが、マーガリンにかえる方が好ましい。食塩の摂取量は最小限にする。チョコレートや防腐剤、人工着色剤などの食品添加物を含んだ加工食品はさける。
肝臓に併発症を起こした進行性の病気の患者は、とくに肝臓を徹底的に守るために、毒性物を食事から追放しなければならない。
これらの毒物としては、タバコ、酒類、トランキライザー、鎮静剤、鎮痛剤およびコーヒーなどを含む。しかし薬用茶は許される。十分な休養は重要である。また、過剰な運動はさけるべきである。
上に述べた除外物を避ければ、あとの部分の食物は安心して食べてよい。
(以下略)
 
※40年以上前の書物の記載です。当時と今の食糧事情は大きく変貌しています。添加物の種類や量は比べ物にならないほど多いですし、特に気をつけたいのが、グローバル農業ビジネス政官財共同体による遺伝子組み換え食品です。
わが国でも今年4月から「遺伝子組み換えでないという表示がありながら、遺伝子組み換えされたものが最大で五%まで入っているのは、表示と実態が乖離しているから、遺伝子組み換えでないというのは、遺伝子組み換えの混入がないと科学的に実証できる、つまり、遺伝子組み換えでないものは遺伝子組み換えでないということに限定をする」(※河野太郎・消費者及び食品安全担当大臣の今年4月11日衆院消費者問題に関する特別委での答弁より)という難解極まりない遺伝子組み換え食品の表示方法に変更されており、素材重視の食品選びがますます難しくなっています。※
 
※「癌なき世界」「癌クリニックの体験」と続いたB17物語は一応終了ですが、人知を超えた天然物質B17に関する研究成果や臨床結果は世界中の人々の財産だと思っています。これからも関心を持ち続け、お知らせします。※

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