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「赤ちゃんを銃剣で突き刺す」捏造イメージを悪用したフロイトの甥~フロイトもうさんくさい

前回「アインシュタインはうさんくさい」に続いて、往復書簡相手のジークムント・フロイトについても考えます。
「ヒトはなぜ戦争をするのか?――アインシュタインとフロイトの往復書簡」(著者:アルバート・アインシュタイン&ジグムント・フロイト(※ママ) 2000年発行、花風社)よりフロイトの文章を抜粋しました。アインシュタインと同じように「暴力」を持つ世界政府を求め、アインシュタイン以上に強い言葉で暴力は人間の本能であると言います。
 

アインシュタイン、フロイトふたりの人となりがよくわかる本


「『権力』という言葉ではなく、『暴力』というもっとむき出しで厳しい言葉を使いたい」
「権力と暴力は対立するものではなく、密接に結びついている」
「人と人との利害関係は暴力によって解決される。しかし程なく武器が使われる。武器を巧みに使用したものが勝利を収める。敵を徹底的に倒すには敵を殺せばよい。敵を殺す利点は第一にその敵と再びあいまみえる必要がなくなる。第二に他の敵への見せしめになる。それだけではなく本能的な衝動が満足させられる」
「社会が発展していくにつれて、暴力による支配から法(権利)による支配へと変わっていった。団結した人間の力が法(権利)としてあらわれ、一人の人間の暴力に対抗した」
「永遠の平和を達成するのに戦争は不適切な手段ではない。中央集権的な権力で暴力を管理させ、そのことで新たな戦争を二度と引き起こさせないようにできる」
「この中央集権的な権力を作り上げる条件は二つ。現実にそのような機関が創設されること。自らの裁定を押し通すのに必要な力を持つこと」
「国際連盟は意思を押し通す力は持っていない」
「人間の衝動には性的衝動と破壊し殺害しようとする衝動がある」
「人間から攻撃的な性質を取り除くなどできそうにもない!」
「すべての人間が私たちのような平和主義者になるまであとどれくらい時間がかかるのでしょうか」
 

「私たちは平和主義者だが……」と言う眼光鋭いフロイト ウィキメディアコモンズより


今回初めて知りましたが、第一次世界大戦でアメリカが参戦するために、国民にドイツ人への憎悪の感情を高め役割を果たした人物が、フロイトの近親者でした。
 
ウィリアム・イングドールの著作「ロックフェラーの完全支配 マネートラスト(金融・詐欺編)」(2011年初版、徳間書店)にこうありました。
 
<1917年4月13日、ウィルソンは、国内で戦争を煽動し、海外にアメリカの戦争目的を宣伝するため、広報委員会(CPI)を設置した。ウィルソンの仲間でジャーナリストのジョージ・クリールがリーダーとなり、CPIは広告の技術を高度な人間心理学と結合させた。過去に政府がこれほど大々的にプロパガンダをばらまいたことはなかった。あらゆる意味でジョージ・オーウェルが『1984年』で描いた世界を先取りしていた。
アメリカ史上最も狡猾なプロパガンダ屋の一人がCPIに参加していた。ウィーン生まれの帰化アメリカ人、エドワード・バーネイズである。バーネイズは、当時まだ英語に翻訳されていなかった新派の心理学の知識を豊富に持っていた。彼はオーストリアの精神分析医ジークムント・フロイトの甥で、アメリカでの著作権代理人だったのである。
政府のCPIは、クリールのスキャンダル的なジャーナリズムと、バーネイズの無意識の願望と衝動を分析するフロイト心理学を結合し、計算された嘘を連発し、ドイツ人を悪者と罵り、無知なアメリカの大衆を対独強硬論で洗脳していった。ベルギーの赤ちゃんを銃剣で突き刺すドイツ兵といった残虐なイメージを捏造し、恐怖心に訴えた。こうしたイメージやシンボルが主流マスコミを通じて絶え間なく流され、現実には何ら脅威のないドイツに対する戦争へとアメリカ人を熱狂させていった。>
※太字はシン・説によります。
 

フロイトの甥エドワード・バーネイズ ウィキメディアコモンズより


素知らぬ顔で「人間の本能にもともと憎悪がある」と書いていたフロイトですが、本当にそうでしょうか。温暖で食糧が豊富にあったとされる日本の縄文時代(※この一点で気候変動がプロパガンダとわかります)は、1万年以上も争いがなかったことが他者による傷のない人骨からわかっています。
憎悪をヘイトと呼びかえてヘイトスピーチだ、ヘイトクライムだ、と盛んに煽っている勢力がいますが、根っこは同じかもしれません。憎悪は人間の本能ではなく、嘘や捏造でつくられていたという見方ができると思います。フロイト心理学の神髄を知る甥っ子が憎悪を巧みに操った歴史がここにあるのです。
 
フロイトもかなりうさんくさい。

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