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タネの中身は果実の中で一番のごちそう~「B17 癌なき世界 3章 決定的試験」まとめ

「B17 第1巻 癌なき世界」(1979年初版発行 著者:G・エドワード・グリフィン 訳者:渡辺正雄、河内正男、小笠原治夫 監修:河内省一 ノーベル書房)の3章を紹介します。

3章 決定的試験 
「癌のビタミン理論」を証明、あるいは反証する最良の方法は、長い期間にわたって、多数の人間に、何千という番号をつけ、豊富な「B17食品」を与え続けて、その結果を分析することである。これこそ、まさに最も「決定的な試験」なのである。幸いにして、このようなことはすでに行われている
西パキスタン、インドおよび中国に囲まれたヒマラヤ山脈の片隅に、「フンザ王国」という小国がある。この国は住民が驚くほど長寿、健康なことで世界的に知れわたっている。百歳以上の長寿者は普通で、百二十歳以上の長寿者が何人もいる。
現地に行った医学調査団の報告によると、「フンザの国民に癌は見つからなかった」という。
フンザ人の食事にはアメリカ人の平均的食事にくらべて二百倍以上のB17が含まれているのは注目すべきことだ。

この国では、その人の財産の基準がお金ではなくて、「杏の木の数」で表される。食物の中で最も貴重なものは杏仁(きょうにん)である。
初めて乗りこんだ医学チームの調査団長は、世界的に有名なイギリスの内科・外科医ロバート・マッカリン博士。その調査結果はアメリカ医師会雑誌JAMA1922年1月7日号に発表された。
「フンザ人に癌は発見されなかった。この国には、豊富な杏があり、これを日干しにして、日常多食している」
調査団員の一人が、新鮮な杏や桃をすすめられて、実を食べた後、固いタネを捨てた。この光景を見た現地案内人たちは、いっせいに驚き、「信じられぬ」という顔つきだった。タネの中身は、フンザ人にとって、果実の中で一番のごちそうとされている。

1973年フンザ王国のモハメド・アメン・カーン王子はロサンゼルス・タイムズに「父の政治を補佐する長老会のメンバーは百歳を超す者も多い」と語った。このような話や文献に科学的な不信もあったので、エルネスト・T・クレブス博士が王子にロサンゼルス・タイムズのレポートの正確さを質問すると、「その通りです。それどころか、昼食後に三十個や五十個の杏仁を食べるのはごく普通のことですよ」と語った。

1927年インドの栄養科学研究所部長のマッカリソン博士はフンザ王国と他国の食物の栄養効果の違いを何千匹ものネズミで比較検討した。誕生から人間の五十歳に相当する二十七か月まで詳しく観察。「フンザ食」を摂取したネズミは二十七か月の間に病例は皆無、「インド食」と「パキスタン食」を摂取したネズミは、眼病、脊椎彎曲、貧血症、皮膚病、心臓衰弱、胃腸病など引き起こした。また、「イギリスの下層階級食」(アメリカ人の食事とも大差ない)を与えたネズミはあらゆる慢性代謝病にかかったばかりか神経病でまいってしまった。
“エスキモー人”も長年医学視察団の調査を受けた結果、癌にかかっていないことがわかっているが、エスキモー食にはB17が驚くほど豊富。トナカイやその他の草食動物、北極のツンドラに豊富なベニハナイチゴから摂取できる。エスキモー人が伝統的な食生活から西洋化した食生活に変わると、平均的なアメリカ人よりもはるかに癌が多発するようになった。
これと同じような例は、世界中にたくさんある。黒海の北東部、コーカサス山脈の奥地に住む”ハブハシア人”、”北米インディアン”、南米やアフリカの「癌と無縁の土着民」。彼らは豊富なB17を含む食事を摂取している。世界的に有名なアルバート・シュバイツァー博士は「癌の原因と治療」(パスツール研究所1957年発行)の序文に「1913年ガボン(注釈:中部アフリカの共和国)で癌の症例にあわなかったので驚いた。(中略)癌がないのは、土着民の食事がヨーロッパ人のものとは違っているからだと思われる」と書いている。
最低四人に一人の割合で癌で苦しんでいるのに、ほとんどの人がなぜこの恐ろしい病気にかかるのか、その理由を知らない。
 
<3章決定的試験への余談>
食事が何よりも大切だと腑に落ちたのは、ルドルフ・シェーンハイマーの大業績に触れたからです。福岡伸一さんの著書「動的平衡」などで度々紹介されました。
動的平衡はちょっとした流行語になりましたが、食べ物が体の器の中で次々入れ替わっていきながら(絶えず動いているのに)、何も違っていない存在であるかのように存在している(平衡を保っている)人間そのものであることです。
3か月前の自分と今の自分は分子的にはすっかり入れ替わっている、分子の流れこそが生命であるということに新鮮な驚きがありました。
遺伝子は3か月前と今も同じようにタンパク質を発現し続けるわけですが、無い袖は振れません。平衡を質の良いものにするためには、日々の食事がきわめて重要だとわかるのです。
 

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