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石ころ長者への道のり#3

〜1つの石ころから起業した男の話〜

第3話

2013年 3月7日

移どう式リエージュワッフル サンガツナノカ
スタートの日

この日はある事を決めていました。

熊本市内から八代まで自転車で行く。

県外の方はピンと来ないと思いますが
自転車で行く距離ではありません笑

往復80キロの道のりです。

なぜそんな事をしようと思ったかというと
2つ理由があります。


一つ目は
以前の職場のレストランで一緒に働いていた方がいました。
その方はもともとパン屋さんで働かれていて
とても素敵な方でした。

心の持ち方や人との接し方などもその方から影響を受けました。
その方との出逢いで開業を決意することもでき
私にとっては人生を変えるきっかけになった
神様みたいな存在の方です。

しかし、その方にも
人生を変えるきっかけになった方がいるらしく
その方曰く自分にとっては神様的な存在の方だそうです。

神様の神様!!

なんかドラゴンボールみたいな話ですが

そんな方がいるならぜひ逢いに行かねば!

そう思い場所を聞くと、熊本の八代でパン屋をされているとのことでした。

そこで、サンガツナノカ スタートの日 3/7にその方に自転車で逢いに行こうと思い立ったのです。

それと、もう一つの理由は
これから先事業を続けていく中で
へこたれそうな事や、辛いことがあった時に
開業の日のキツさを思い出し、それに比べたらマシだと思える様に
開業初日に一番辛くてきつい事をしようと思ったのです。

そんなことで
その日は詩を描いた石を木箱に乗せて
八代のパン屋さんまで自転車で旅立ちました。
連絡先も知らないので、もちろんアポ無しです。

そのパン屋さんは大人気で、お昼前には売り切れてしまうと言う事で、お昼前に到着する様に、朝6時にスタートしました。

意気揚々とスタートしましたが、2時間ほど漕いだところで早くも疲れが…。
往復8時間の道のり。
まだ1/4…

一人で自転車を漕ぎ続けるという孤独との戦い。
そんな経験したことなかったので本当に辛かったです。

4時間後
八代に着いた頃にはもう既に、お尻は椅子に座れないくらい痛く、足もガクガクしていました。

ボロボロの状態でパン屋さんを発見。

緊張しながらお店の中に入ると
もう既に商品は売り切れ。

こんにちはと声をかけると
お店の奥から女性の声が。

出てきたのは
後光が指す様な笑顔の、まさに女神の様な方でした。

神様の神様だぁ。

ことの経緯を説明するととてもびっくりされていましたが喜んで下さいました。
迷惑かもしれないけど、石をお渡しして、とんぼ帰り。
お土産に、偶然キッチンに残っていたパンを頂きました。
愛情たっぷりで作られた優しい味が、疲れた体に沁みたなぁ。

八代のパン屋やきむぎや
の清田さん

お尻と足の痛みを忘れる為に感情を消して無になっていたので帰路の事はほぼ覚えていません笑

とにかくキツかったけど、やりきった達成感と
開業初日なのに商売としては何も生み出しておらず
ただの自己満足だったという罪悪感や、明日からの不安感など、色んなものが入り混じった感情で開業初日が終了しました。

そして、この八代までの自転車行脚は
2013年から熊本地震が起きるまでの2016年まで
続きました。
毎年3/7の開業記念日にワッフル50個を木箱に入れ
自転車で八代のパン屋さんに逢いに行くまでの道中で、ワッフルを無料配布するというワッフル行脚となりました。

3/7に持っていった石
2年目のワッフル行脚の時に飾ってあり感動。
八代のパン屋さん やきむぎや
の清田さん


それでは次のお話でまたお会いしましょう。


























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