見出し画像

啓発本の選び方・付き合い方

昨今、様々なメディアで「本を読め」と目にする中、本の中では比較的読みやすい啓発本を手に取る方も少なくないと思います。しかし啓発本は著者が成功者であることが多いがゆえに、諸々のバイアスがかかっている可能性があります。

そこで、啓発本の選び方や付き合い方について私の失敗経験を交えて一つの指標を提示できたらと思います。

初めての投稿なので拙い文章ではありますが参考になると嬉しいです。


1.自分のタイプを知る(凡人かどうか)

序文でも触れましたが、啓発本を書いているのは基本的には成功者です。彼らの言葉に触発されて何かを始めようとすることがあるかもしれません。
それ自体はとても素晴らしいことですが、人のタイプによっては落とし穴に嵌る可能性があります。

この落とし穴にまんまと嵌った内の一人が私です。大学3年のとある日に、「将来収入を増やしたいなら本を読め」と捲し立てる自己啓発セミナーの動画を目にし、啓発本を買いに本屋へ(この時点で嵌っています)。2冊買って読み終えたとき、自分が何でもできるような気分になったのを覚えています。
しかし、2か月、3か月、半年と時間が過ぎても変わっていないどころか何も行動できていない自分に気づき失望しました。さらに、うまくいっている人と自分を比較し、その度に劣等感や嫉妬心を抱く癖もついてしまいました。

厄介なことに、人には「自分を過大評価したくなる」癖があります。例としては、自分には何か才能があると思い込むこと等です。私はこのパターンで、昔から何かと勝負に負けることが多く、自分に何か一つ武器があると思い込みたかったのかもしれません。
誰しも何かしらの才能があることを否定はしません。ただ、それが周囲を圧倒する才能である可能性はほぼゼロに近いと言えます。そのため、自分が凡人であるのにも関わらず、「私はこの本を読んで人生変えるんだ!」と意気込んだところで、結局変わらない場合が多いのです。

また、結果を早く求めてしまう人も注意です。数か月~1年では結果を出すのは難しいと思うので、2年以上じっくりと時間をかけて目標を達成するくらいの心持でいましょう。

この経験から、私は成功者から限りなく遠い「凡人」であることを痛感しました。大抵の人は自分が凡人であることを自覚するべきです。この主張を読んでもなお「いや、自分は他人とは違って才能あるから」と考える人は、まずその思い込みを辞めてみてください。謙虚になってみるとこの先楽に生きられると思います。

2.過剰な売り文句に騙されない

書店での啓発本コーナーには、売り文句として人の心を揺さぶるような言葉が多く用いられます。「一冊で人生変わった!」「○○しないとヤバい」「某有名企業の○○が執筆」これは精神的に人の感性を刺激する系の販売戦略と言えます。
1の「自分のタイプを知る」にもつながりますが、「人生にコンプレックスがある人」や「将来に不安がある人」は気を付けましょう。こういった売り文句は万能感を与えたり、はたまた不安を煽ったりというものですから、真に受けると騙されるかもしれません(もちろん、良い方向に騙される可能性もありますが)。
人が騙されるのは、いつもモノに対する期待があるからだと私は思います。啓発本の売り文句のほとんどは幻想であると思っておきましょう。そしてそこに「この本なら自分を変えてくれるかも」という期待をかけないこと。そうすれば下手に大量購入することを防ぐことができ、自分に合った本を選び抜くことができます。

3.類似した思考の本ばかり集めない

○○思考法やお金、時間、人間関係など題材は多岐にわたりますが、同じ著者の本をたくさん読むと考えが偏ったり、一つの考えに固執したりしてしまい、ひいてはそれが原因で周囲から嫌われるかもしれません。様々な本を読むとわかりますが、同じ著者でなくとも案外似た価値観や主張をする本は多いと感じます。

私は一つの思考に固執して鬱っぽくなった経験があります。これからは副業や自営業やフリーランスなど、会社に依存しない働き方が人気になってくると勝手に思っていますが、ちょうど就活の時期、私はこの生き方に憧れを捨てきれずにいました。「会社なんて入りたくない」「会社に入るのは奴隷になるのと同じ、社畜になったら人生終わり」などど毎日のように考えていました。というのも啓発本の影響です。「大きな夢を持っていい」「好きなことを仕事に」「~しなければならない」という考えに固執し、しかし思っているだけで行動を起こせない自分に嫌気がさし、一日を終える前に「明日になったら○○やろう」と眠ったものの、朝が来ると「また今日が始まるのか…」と絶望から始まる毎日でした。一日中ほぼベッドの上で過ごしたことも、自分でも引くほど涙が出たこともありました。

幸い就職も決まりましたが、一向に心は晴れませんでした。そんな時、ひろゆきさん著の「ラクしてうまくいく生き方」とphaさん著の「しないことリスト」を読んで、「こんな緩い啓発本もあるんだ」と救われた気分になりました。「~しろ!」とか「~しないといけない」みたいな義務感や「好きなことを仕事に」みたいなキラキラ感を押し付けるような啓発本は私の性に合ってなかったのだと今では思います。今考えると、啓発本は成功者自身が承認欲求を満たしたり、凡人に対してマウントを取るみたいな側面もあるのかもしれません(当人はそんなつもりはないかと思いますが)。

ですから、啓発本は広く浅く読むことをお勧めします。すると、いろんな考え方があることを知れ、その上で筆者の考えを俯瞰してみることができ、頭が固くなりにくいと思います。

4.いろいろ読んで気づくこともある

初めて啓発本を読む場合、最初に買った一冊が自分のマインドに合っている可能性は低いかもしれません。私のように、いろいろな本を読んでみて、やっと自分の人生のバイブルに出会えるということが多いと思います。

しかし、私はその過程で精神的に不安定になってしまったことから、啓発本に依存したり、その教訓に囚われたりと紆余曲折しました。

人生におけるマインドの正解は無いと個人的には思っているので、なるべく視野を広げて、時には批判的な視点で読むことも大切です。

5.最後に

今回、初めてnoteを書くきっかけになったのも啓発本のおかげでした。それは元「日本一のニート」phaさん著の「しないことリスト」です。この本の「頭の中だけで考えない」「自分だけで独占しない」という章を読んで実際に文章を書いて投稿してみたところ、こんなに自分の意見をまとめることが気持ちの良いことで、またそれをネットという海に放り投げる楽しさを知ることができたような気がします。

この記事は他人に読んでもらうためというよりも、自分の思考の整理と、これからの自分が同じ過ちをしないためにという気持ちで書きました。ですから、この記事にも多かれ少なかれバイアスがかかっていると思っていただきたいです。

ここまで読んでくれた方へ感謝いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?