18、黒須タケシとスキンヘッドの男
――バイクとぶつかる!
私はぎゅっと眼をつむった。
……あれ?
ぶつからない。なぜ?
バイクは私の体を避けていった?
私は身を守る為に顔の前に構えていた腕の間から前方を確認した。
……ここはどこ?
周囲の様子を見た私は両腕を下ろすと思わず眼をこすった。
周囲は暗く、幅の狭い道路の左右にはネオンに彩られた雑居ビルが並び、サラリーマン風の男の人達が酔っぱらった様子で楽しそうに歩いている。
そんな繁華街の道の真ん中に私は立っている。
――ここは南大川駅じゃない、きっと