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戦闘機の世代について

さて、最近、予算委員会ではGCAP(グローバル戦闘航空プログラム・F-2後継機)についての議論が行われてますね。
その際に岸田総理の答弁で戦闘機の「世代」という言葉が出てくると思います。
この世代について解説しようと思います。


世代とは


防衛省自衛隊・資料より

簡単に説明したのがこちらの図です。
戦闘機、というと第2次世界大戦の零戦や疾風、もしくはゴジラー1で話題になった震電が思い浮かぶ人がいると思います。
この戦闘機の世代、というのはレシプロエンジンの戦闘機(零戦とか)は含めず、黎明期のジェットエンジンの戦闘機を1世代として、現在の第5世代まできています。

世代の変化

世代、世代といってもどういうふうに区切るのか。
戦闘機は敵航空機をはじめとする脅威を排除する装備です。
そのため、具体的に
1.飛行性能
2.探知性能
3.各種武器の性能
4.自衛性能
これのバランスや性能が世代を区切っている。

第一世代戦闘機

ジェットエンジンを動力源とする戦闘機を実現することを乗り越えた世代。(飛行性能UP)
探知性能、武器の性能、自衛性能は第二次世界大戦時とそこまで変わらない。

具体的例

ノースアメリカンF-86セイバー

F-86

初飛行1947年。後進翼を採用することにより高性能機となった。
朝鮮戦争でMIG-25に対して優位に戦ったことは有名。
なお、航空自衛隊でも採用したF-86Dセイバーとはまた別。

F-86Dセイバー

F-86Dセイバー

F-86セイバーから主翼以外すべてが再設計された。固定武装はなく、胴体下部に装備した24発のロケット弾が主武装。航空自衛隊も採用。

ミコヤン・グレヴィッチMIG-15

MIG-15

朝鮮戦争に登場すると、世界に衝撃を与えその後の戦闘機開発に影響した。
低空ではF-86に苦戦したが高空では対等に戦う。

第2世代戦闘機

アフターバーナーを備えたジェットエンジンの実用化で超音速飛行が可能となった世代。
鋭い後退翼、細身、スタイリッシュな胴体が特徴。
また、レーダーとレーダー誘導の空対空ミサイルを備える全天候迎撃戦闘機が出てきた。

ロッキードF-104スターファイター

F-104

航空自衛隊でも採用された。
1950年代にアメリカが開発したマッハ2級の単発戦闘機。
航空自衛隊の戦法は、ソ連の爆撃機の横からロケット弾を全発発射し、どれかが当たれば良い、というもの。「最後の有人戦闘機」「人間最後の戦闘機」「最後の有人機」というふうに呼ばれる。

スホーイSu-7

Su-7

1960年代ソ連で戦闘爆撃戦力の主力。マッハ2級戦闘機

ヤコブレフYak-28

Yak-28

冷戦時代、ソ連軍に配備された初の戦術戦闘機。
完全武装状態で飛行が可能。
ソ連崩壊まで機体の情報がほぼなく脅威とされていた。

第3世代戦闘機

第2世代戦闘機と比べると主翼の後退角が控えめとなる。また、ズングリムックリしたフォルムをしていることがおおい。兵装搭載量が多い、兵装ステーションが増えている、自衛用電子戦機気、センサー機器が充実していることが特徴。

マクドネルF-4ファントムⅡ

F-4

航空自衛隊でも2020年まで使用された。
アメリカ海軍の空母艦載戦闘機。だが、兵装搭載量の多さ、高い飛行性能によりアメリカ空軍でも採用された。
ベトナム戦争での活躍。

ミコヤン・グレヴィッチ設計局MIG-25フォックスバット

MIG-25

マッハ3級の迎撃機。
1976年に函館空港に強行着陸した戦闘機。世界最速の戦闘機。
ベトナム戦争でF-4ファントムと戦い、湾岸戦争ではF/A-18スーパーホーネットと戦った。

三菱F-1

MitsubishiF-1

三菱重工が開発したT-2練習機を元に製作し、戦後始めて日本が独自開発した戦闘機。航空自衛隊では支援戦闘機に分類されるが攻撃機や戦闘爆撃機と分類されることも。

第4世代戦闘機

F-14、F-15、F-16、F/A-18、MIG-29、Su-27といった有名な戦闘機はすべてこの世代。完成形。加速性能・機動性・視界の良さのバランスが取れている。システムの自動化か進んだため単座機が多いが、任務が複雑となり、複座になった戦闘機もある。(F-15E、Su-30等々)
第5世代の機能を取り入れた第4世代戦闘機、いわゆる第4.5世代戦闘機も登場。

グラマンF-14トムキャット

F-14

トップガン。これだけで通じるだろう。

マクドネル・ダグラス F/A-18ホーネット

F-18

米海軍・海兵隊のF-4戦闘機、A-7攻撃機の後継機。
戦闘機と攻撃機の任務両方を行えることから戦闘機の「F」攻撃機の「A」をあわせたF/Aとつけられる。

マクドネル・ダグラス F-15 イーグル

F-15

航空自衛隊でも採用される。
高い速度性能・運動性能を兼ね備えている。
航空自衛隊導入時、F-4ファントムやF-104に乗っていた「怪物」たちをF-15に乗っている若者がどんどん撃墜していったという逸話も。
一度も被撃墜がない。(実戦では)なお、訓練では極東の島国(ジパングとかいう国)がミサイルで撃墜してしまったらしい。
片翼を失っても帰還した例がある。

マクドネル・ダグラスF/A-18E/F スーパーホーネット

F/A-18 E/F

F/A-18Aなどのレガシーホーネットと何が違うのかと思った方も多いでしょう。エアインテークという空気取り組み口の形がちがったり、性能が段違いに違います。
トップガンマーベリックで使われたやつです。

ジェネラル・ダイナミクス F-16ファイティングファルコン

F-16

今年で初飛行が50年。半世紀がたった。
高価なF-16のサポートとして採用された。高い運動性をもつ安価な軽戦闘機が最初だったが、改良を重ねられ現在は多用途戦闘機となった。
ちなみに、F-16の採用でF-16(YF-16)とF-18(YF-17)が争いF-16が採用されたが、海軍がF-18(YF-17)に興味を持ち、少々改良されたのがF/A-18

マクドネル・ダグラス F-15E ストライクイーグル

F-15E

攻撃に特化したF-15。最近、F-15EXというF-15Eをベースにし開発された多用途戦闘機も出てきている。

三菱 F-2

F-2

F-1の後継機として日本とアメリカが共同開発した戦闘機。F-16をベースとしている。主翼の大型化、炭素繊維複合材料の使用をはじめとして日本独自の改造を行っている。
対空、対地、対艦どの攻撃もできる。

ユーロファイター・タイフーン

ユーロファイター・タイフーン

イギリス・ドイツ・イタリア・スペインで共同開発した戦闘機。強力なエンジンと軽量な機体の組み合わせで超音速巡航が可能。
この後継機がF-2後継機と共同開発される。

ダッソーラファール

ラファール

フランス製の核搭載可能な戦闘機。艦載機型は空母での運用が可能。

スホーイSu-27、29、30、32、33、34、35(フランカーファミリー)

Su-27

アメリカ空軍の爆撃機、戦闘機の迎撃を想定。航続距離が長く、運動性能が高い。フランカーファミリーのなかにはSu-33(空母搭載型)やSu-35(高性能機)、Su-30(複座多用途型)といったものもある。
また、中国のJ-11、J-16もフランカーがもと。

ミグMIG-35フォックスハウンド

MIG-35

MIG-25の発展改良型。

第5世代戦闘機

第4世代戦闘機の特徴を維持しつつ、対レーダー、ステルス、被探知性低減といった技術を使われている、電子戦、レーダー、コンピューターなどを統合したアビオニクスを備えているのが特徴。

ロッキード・マーティン F-22 ラプター

F-22

岸田総理が答弁で言っていた144機の撃墜に対して被撃墜は無しの戦闘機。
最近初の戦果である気球撃墜を成し遂げた。

ロッキード・マーティン F-35 ライトニングⅡ

F-35

F-35Aは空軍仕様
F-35Bは海兵隊仕様(STOL、VTOL能力がある)
F-35Cは海軍仕様
と3つの型がある。

スホーイ Su-57 フェロン

Su-57

高いステルス性・運動性能を兼ね備える。
また、Su-75チェックメイトというF-35に似た外見の機体が2026年に配備予定。

J-20

J-20

すべてが未知数。
中国が独自開発したもの。

第6世代戦闘機

GCAPやF/A-XXがここにはいる。
さてどのような機体になっていくのだろうか。

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