【本】「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」再読⑤
読むたびに再発見のある「ビジネス書再読」シリーズですが、今回も佐々木常夫さんの「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」を改めて再読していきたいと思います。やっぱりいつの時代も「変わらない」もの、そしてその時々によって「変えていく」もの、どちらもあるんだな、と確認できますね。それでは進めて参りましょう。
■「信頼口座」の残高を確認しておこう
名著「7つの習慣」にもある「シナジーを作り出す」
これはスティーブン・コビィー先生の名著「7つの習慣」内にある「シナジーを作り出す」という6つめの習慣に書かれている「信頼残高」のお話に通じますね。相手に対して「信頼」の残高を日々積算していこう、そうすれば思わぬトラブル時にも相手に残高があれば、まだ大事にはならないかもしれない。しかし、残高がゼロ、もしくはマイナスだとしたら、相手との関係性は崩れるだろう、というような話だったと思います。これはまさにその通り。
「何を言ったかより、誰が言ったか」にも通じる
割と私の中で持論としているのが上記の「何を言ったかより、誰が言ったか」説。同じ事でも自分が信頼している人の言葉であれば、ストンと腑に落ちるところも、そうでない人に言われたとしたら・・・。悲しいことに人間は結局は感情を持つ動物なわけで、どうしても好き嫌いで動いてしまうところってあるじゃないですか(もちろんそうではなく、冷静にありたいとは思うんですけどね・・・涙)。私など超典型的な感情人間(=単純ということ)なので、まさに「誰に言われたか」が内容よりも上位に来てしまうタイプ。それだけにこの「信頼残高」は本当に大事。
■「悲観は気分、楽観は意思」と心得よ
これもやっぱり「誰と一緒か」も大事
自身を振り返り、たしかに40代前半は相当キツかったです、本当に。それこそ歯を食いしばって、なにくそーと思いながら、日々回していたように思います。ただ、一番キツかったとき、あんまり細かいことは書けませんが、社員ではなくアルバイトのメンバーたちが私に同情してくれて、一緒に支えてくれていたんですね。ですから、私も「このメンバーたちのためにも頑張らなければ!」と必死だったことを思い出します。そのメンバーとは今でも交流があり、彼ら彼女らが立派に社会人としてそれぞれの地で活躍している報告を貰えたり、当時のことを「やることが多くて大変だったけど、楽しかった、一緒に働けて良かった」なんて言って頂けると・・・冥利に尽きますよね。ですから、不安もストレスも一緒に乗り越えていける仲間がいるか否かは大きいんだと思います。
■力を抜いて、運命を受け入れよ
まさに「置かれた場所で咲きなさい」ですね
この本を最初に読んでいた時期は、なんとしても自分が頑張らねば、と仕事術の項目にマーカーを引きながら読んでいた形跡がしっかり残っていました。若かったなーと目を細めたくなります(笑)。さて、今、こうして再読していく中で大きく変わったのはこの項目かもしれません。「運命を受け入れよ」という意味では、前職を退職し、現職に再就職するという、自分の中では大きな変化を自分で決断し、さらに実行したというところでしょうか。
もちろんまだまだ前職で頑張っている同僚や先輩、後輩もいるので、どこか後ろめたい気持ちは常にあるわけですが、それはそれ。言い訳かもしれませんが私としてはやるべきことはやったと思いますし、あれ以上前職を続けていても、最早惰性でしかなく、さらにはかつて持っていた情熱を再燃させて頑張れたか、というと・・・これは断言できるんですが、再燃出来なかったと思います。もう、ここは「人は人」と割り切って、まさに「置かれた場所で咲きなさい」という気持ちで別の道を歩き始めた、という感じですかね。
■教養=「生きた知」を身につけよ
このあと空前の「教養本」ブームが到来する・・・
佐々木さん、凄いですよね、未来を予見したかのように、この後に「教養本」の大ブームがやってきましたよね。ビジネス本のコーナーにいけば、とにかく「教養としての・・・」という肩書きの付いた本が大量に並ぶ状態に(ま、もちろん釣られて大量購入している自分がいるわけですが・・・笑)。それだけ「教養」というものに現代人がコンプレックスを抱いているということなのかもしれませんね。やっぱり欲しいですからね、「教養」。
今度とお化けは出てこない(見たことない)
いつかは「教養」をつけたい・・・とただ願っていても、いつまで経っても「教養」は身につきませんよね。今度は教養本を読むか、とか、そういうのもダメですよね、結局、アクションを起こさないと。これもある種「今度とお化けは出てこない」に通じる、今度、今度と逃げてるだけではいかんぞ、という話なように思います。自分の気になった分野でいいので、やっぱり「古典」を読む、しかも最初はジュニア版だったり、漫画版のようは平易なものから入ってもいいと思います。書店に行くとそうした本が結構ありますからね。
いますよね、知識量=教養という勘違い
クイズ王じゃないんだから、知識だけ豊富にあっても、やっぱり「薄さ」ってバレますよね。若い時期は「お、そんなこと知ってるんだ」と褒められるかもしれませんが、中堅以上になれば、そうしたキーワードだけを知っていても、かつてほどは褒められないはず。やはり日々、自身で研鑽を積んでいかなければいけないと思います。ま、かくいう私自身が日々そうした取り組みが出来ているかというと怪しいところもありますが・・・笑。
今回もやっぱり胸に突き刺さる、佐々木さんの「熱い言葉」がたくさんありました。と、同時にかつての自分と向き合う機会にもなっているという面白さが個人的にはあります。若さ故に勢いで突き進んでいた当時を振り返り、年月を経て、私自身の環境も変化した今、「変わらないモノ」「変えるべきモノ」があるな、と再認識しつつ読み直しています。特に今回のラストの「教養」問題は、当時から変わらずあんまり着手できていないな、と再確認。さきほど自分で書いてますが、やっぱり地道に日々の努力しかありませんからね、そんな一朝一夕で身につくモノでもないですし、さらにはどこまで到達したら「教養ある人間」なのか、なんていう定義があるわけではないですからね。それでも今より少しでも身につけていきたいモノではあります。