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【SLAM DUNK】番外編 能代バスケミュージアム訪問記

前回に引き続き、秋田「聖地巡礼」旅レポートです。実際は由利本荘市の「森子大物忌神社」訪問と前後するのですが、能代市にある「能代バスケミュージアム」へ行ってきましたので、内容をご昇華したいと思います。また先にお伝えしてしまうと、当日は能代科学技術高校が学園祭のため練習が行われておらず、残念なことに練習風景は見られませんでした・・・。この点が少しだけ残念ではありますが、このバスケミュージアムを観れただけでも十分満足できました!


やっと来れたぞ、バスケミュージアム!!!

入口のロゴです。ステッカーもありますよ!

展示内容の紹介です

まずはこのミュージアムの場所ですが、能代駅前の商店街の一画にあります。大きすぎず、ちょうどよい広さの空間に所狭しとバスケに関する展示がされています。もちろん中心は「能代工業高校バスケ部」常勝軍団の礎を築いた加藤監督のコーナー、そして歴代メンバーに関する展示、さらにはスーパースター田臥選手の記念グッズも多数展示してありました。

田臥選手のコーナーです。今も現役で活躍中・・・ってすごいですよね!

また、大盛り上がりだったバスケW杯に関するコーナーも用意されており、試合のダイジェストが流れていました。そうなると当然日本代表にまつわるコーナーもあり、渡邊雄太選手や八村選手のようにNBAで活躍している日本人選手を紹介する展示も充実。そしてもちろん本場NBAコーナーもしっかり作られていました。もう、ここへくればバスケの歴史から今現在までがすべて学べる大満足の展示でした。

バスケW杯に関するコーナーです。田臥選手が切り拓いた道を後輩が進んでいます!

男子バスケだけでなく、女子バスケに関してもしっかり紹介されていました。なんといっても東京五輪銀メダルですからね!世界に誇る日本バスケ。こうなると男女共々目が離せませんね。さらには地元秋田のBリーグチーム「ノーザンハピネッツ」の紹介なども充実していました。また、月間バスケットボールのバックナンバーコーナーは圧巻でした。

井上先生直筆サイン&イラストと、「三井の寿」!

そして忘れてはいけないのが「スラムダンク」!もちろん全巻展示されているのは当然として、映画のポスター全種類や映画記念グッズ、そして名酒「三井の寿」まで!ありとあらゆるスラダンにまつわるモノが所狭しと展示されていました。さらには井上監督のサインなども飾られ、ひたすらカメラに収めていました。本当に鳥肌モノでしたよ、実物を見たときは!

映画グッズ(山王サイド)です。応援上映のメガホンですね。

加藤廣志先生についてのリーダーシップ

ここで改めてご紹介したいのが、冒頭でご紹介した能城工業バスケットボール部を常勝軍団に育てていくきっかけを作られた加藤監督の存在です。往年のバスケファン、能代工業ファンには有名な話だと思うのですが、私のようなニワカには、この場を訪れ、展示物を見て初めて知る内容もたくさんあり、本当に(いい意味で)衝撃を受けました。これは私がもう一つの個人的ライフワークとして興味を持っている「チーム論・リーダー論」にもつながるものであり、このあとも勉強していきたい内容でした。

詳しくは加藤監督に関する著書や、ここバスケットボールミュージアムの展示物をご覧いただくことをお勧めしますが、監督の「情熱」、そしてバスケットボールに懸ける「熱意」が伝わってきました。特に直筆のメモは圧巻。ちょうど館内の方とお話しすることが出来たのですが、監督はとにかくバスケ部に関する事柄が思いつくとメモをされていたとかで、大会期間などはほぼ寝る間もなくひたすら考え続け、大会終了後にはゲッソリとやせ細ってしまうほどだったそうです。

また、「能代工業」といえば「礼儀正しさ」というのは、私のようなニワカでも知っているような有名なエピソードですが、こうした評判を作り出していったのも監督のお考えだったそうです。もちろん令和の現在ではいろいろと手法は異なると思いますが、それでも変わらないのは徹底した生徒たちへの「情熱」。

ルールを守る、マナーを守る、試合に勝っても大喜びしない。なぜなら、勝者の裏には敗者がいるわけで、彼らの気持ちを慮れば、こちらが浮かれるのは礼儀に反する、そんな考えから「能代工業」のスタイルともいえる常に冷静に振る舞う流儀へと発展していったのでは?と展示物を読みながら考えました。ちなみにミュージアムのスタッフさんは実際にリタイア後の加藤監督とお会いしたことがあるそうで、その時にはとても穏やかな優しい先生だったそうです。

また、全国から有望選手をスカウトするために、先生自ら手紙を送り、熱心に勧誘活動をされていたそうです。「狂気」というと、一見ネガティブな表現にも聞こえてしまいますが、ポジティブな意味で、一人の「熱狂的」な行動が周囲を動かし、そして大きな渦となり、さらにそれを長い年月続けていくことで伝統となっていく、その最初の一歩を作られた加藤先生の「想い」をこの場所で体感することができました。

寝ても覚めてもバスケにのめり込む、打ち込む、考え続ける・・・きっと相当な苦労があったことと思いますが、その一方で好きだからこそできたのかもしれません。そしてもちろん周囲も加藤先生の苦労が分かるからこそ協力し、共に大きなチームを作っていく・・・。チーム作りの原点ですね。本来、スラムダンク聖地巡礼だったはずが、このミュージアムでは加藤先生のコーナーにも惹かれてしまいました。拙い説明故に、どこまで伝わったのか心配はありますが、もし興味持たれた方はぜひ何かの機会にここを訪れてほしいです。

湘北も大好きなんだけど、山王もいいんだよね・・・という方も多いのでは!?

地元秋田は(当然)「山王推し」!

そしてラストはやっぱり「スラムダンク」で締めくくりたいと思います。そう、ここは秋田。ということは、湘北ではなく山王ファンの集まる場所でもあるわけで、当然「山王応援コーナー」が作られていました。これも館内のスタッフさんとお話ししたんですが、原作も映画でも、素晴らしいことは設定上、山王はライバル(敵)になってしまうんですが、井上先生の描き方はだからといってヒール的なものではないという点を強調されていました。たしかにそうですよね、最後まで正々堂々。これは「能代工業」スタイルを踏襲されているのかもしれません。

もし、勝ちにこだわるのであれば、時間ギリギリまでパスでつないで、時間稼ぎするなど、他の戦術もあったのかもしれませんが、そうした手法は用いず、真正面から戦うことを選択。それゆえに紙一重で勝利の女神の微笑みを逃す結果となるのですが、たとえ勝ちに拘る戦術で勝てたとしても、それは「自分たちらしくない」として心から喜べなかったかもしれませんね。そんな日本古来の「武道」の心にもつながる清々しい気持ちを感じました。

「78対77」で秋田の勝利!?

とはいえ、面白かったのがグッズコーナーにあった秋田杉で作られた「神奈川VS秋田戦の得点板」プレート。ここでは「78対77」で秋田が勝利なんです!笑。あれ?ってなりません?これまた館内のスタッフさんによると「秋田の人間にとっては、あの試合は最後の数秒前で終わってほしいんですよ・・笑」と仰っていました(花道と流川は怒り出しそうですが・・・笑)。

もちろん著作権等があるので高校名は出せないのでしょうが、ファンなら誰しも「ああ、湘北対山王だ」となるわけで。このプレートを企画した方(もちろん秋田県人)も、そうした悔しさ&願望をカタチにしたそうです。いいですよね、こういうの。たしかに沢北くんがシュートを決めたところで終わってくれれば・・・という思いが詰まったユーモアあり、夢のあるエピソードでした。



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