見出し画像

「家族になりましょうね」

優しく耳に残る声。
私の目をしっかりと見て優しく微笑んで彼のお母さんは

「娘さんをいただく、とか、もらってもらう、とかじゃなくて『家族』になりましょうね」

そう言ってくれた。


12月初旬、両家顔合わせ。

とうとうこの日がやってきた。
トントン拍子に進み、彼のご両親も本当に優しくて私は恵まれていると感じた。


挨拶に色んな事情と彼のおふざけがあるにしてもデニムで結婚の挨拶に伺っても
「あー、いいじゃない、気楽が一番よ😊」
と言って食事に連れ出してくれた。


彼のお母さんは
「うちの子は一人っ子だからねー、自分の苦労しか知らないの。あなた苦労するわよーー、大丈夫?」
と笑って聞いてきた。

「私もどうしようもない甘えん坊の末っ子なので、むしろいつも助けてもらってます」
と返事をすると

「そう😊良かった。」
とまた笑ってくれた。


そして暫くすると真剣に
「お嫁さんになる人の条件はね、息子のことを誰よりも一番好きって思ってくれる人。私がお父さんのことを大好きで大好きで結婚したからなの。・・・息子のこと大好き?」
と、カウンターで横並びでご飯を食べていた私にちゃんと向き直り家族を大切にしてきたことがしっかりと伝わる眼差しを私に向けて質問がきた。


私は
「はい。彼だから結婚を決めました。大好きです。」
と返すと

「良かったーー。息子のことお願いね☺️」と笑いかけてくれた。


隣で彼のお父さんは結婚を祝福してくれ、大いに喜びいつものようにたっぷりとお酒を飲んで
「俺はぁーなぁー、孫ができたらぁな、目に入れちゃうっっ。。。!!」と真っ赤な顔で体を大きく揺らしながら何度もそう繰り返した。
その度お母さんは
「何も気にしなくて大丈夫だからね。できても、できなくても。うちはどっちでもいいの。二人が仲良く幸せでいてくれることが何より大事よ。」と私だけに聞こえるように話しかけてくれた。

なんて温かい人だろう。

40手前で彼を出産するまで色んなプレッシャーがあったらしい。
あまりお姑さんとの仲もうまくいかなかったみたいで、耳を塞ぎたくなるようなことも言われていただろう。
何よりも大好きな人の子供を産めないんじゃないかという不安が大きくのしかかって、このままなら離婚しないといけないのでは、、と悩んだこともあったという。

だから私には嫁姑問題は何もなし!二人が幸せでいること!と強く言い切ってくれる。
女性としても義理の母としても深い理解を示して私に言葉をくれる。


私は自分の両親に彼のご両親を会わせるのもとても楽しみだった😊

顔合わせ当日は彼が上手に仕切ってくれて少し緊張もあったけど楽しく過ごせた。
そんな中、彼のお父さんが
「娘さん二人ともお嫁に出したら名前継ぐ人がいなくなっちゃいますけど、いいんですか?」と正面に座る父にゆっくりとした口調で聞くと

父は
「あー、全然!うちはそんなの全く気にしてないですから。」
と返す。

彼のお父さんは
「うちもね、何も拘り無いんです。二人が夫婦別姓を名乗りたいっていうならそれも好きにしたらいい。二人に任せます。」と私達に幅広い選択肢をくれた。

その時、彼のお母さんは
「娘さんをいただく、とか、もらってもらう、とかじゃなくて『家族』になりましょうね」といつものように優しく温かい言葉をくれた。


私は涙を必死で堪えて少し震える声で

「はい、よろしくお願いします」

そう答え、頭を下げるので精一杯だった。
---こんなに温かい人に私は迎えられ、家族になれるんだ。


彼のお父さんは
「息子には二十歳になってからは何をしても何処にいてもいい。好きなことをやれ、そう言って育ててきました。何を使用が自分の人生。二十歳になるまで私たち親にたくさんの幸せをくれたんだから、残りの人生は自分のために生きていいって思ってね。親のことなんて気にして生きるな!って。・・・でも、本当に久々にこんなに大きな幸せをまた持ってきてくれたからねぇ〜いやぁああ、ほんとに嬉しいなぁ。」といつもの朗らかな口調で私たちの結婚を祝福してくれた。

私は家族が増えることをこんなに幸せで温かい気持ちで喜べて、喜んでもらえることに胸がいっぱいだった。


滞りなく楽しい会食を終え、会場を後にして両家の両親を見送ると彼が

「お父さんとお母さん追いかけなくていい?」と私を気遣ってくれた。
本当に優しいよ、そういう気遣い。

でも、3組のカップルがきっとそれぞれに噛みしめたいものがあるような気がして

「あとは二人でデートして帰ろう^^」と返した。


帰りの電車の中で両親が独立した時の話になった。

私の母は普段は勘違いの天然を発動するから、その日の帰り道も食事中の母の面白かったことを二人で振り返って笑った。
穏やかな雰囲気に加えて、とんでもない天然発言が多くとても想像がつかないけど母は芯がとても強く仕事のできるキャリアウーマンタイプ。
私がいくつかある自慢の母のストーリーを彼に話した。


父が事業を独立させる時のことを母に聞いたことがあった。
不安じゃなかったか、ましてや育ち盛りの子供二人を抱えての独立。
母はいつものように落ち着いて

「覚悟できてたからね。万が一ダメだったらお父さんと屋台引いてラーメン屋でも何でもやろうと思ってたよ。別に必死になればどうやったって生きていけるじゃない^^」

そう話してくれた。

母は父をいつも信じている。それは父も同じ。やり始めたことがダメになったとしても人生が続く限り二人は協力して生きていくから何にしてもきっと通過点でしかない。
お父さんと一緒に目標を現実化させるためならお母さんは怖いものはなくて、なんでもできる人。

話終わると彼がギュッと抱きしめて鼻をすすった。


ポカポカの気持ちのまま家に着くと
「今日はありがとう。」

また涙声。
彼が泣くと私は何だか可愛く思えて泣けなくなっちゃう。笑


だから私は笑いながら明るくこう返した。


「楽しかったね!美味しかったし!!😊」


これから、家族になるんだね😊
その日も彼の隣で安心して眠りについた。

#結婚 #入籍 #出会い#プロポーズ#スピード婚#第一印象#直感も外れることがある#結婚までの道のり#運命#決め手#マッチングアプリ
#人生何が起こるかわからない #出会いはすぐそこに #諦めないことが大事#初めてのデート#両家顔合わせ#彼の優しさ#家族が増えます#家族になります#いつもありがとう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?