行動を伴わない善意では現実は変えられない
どうも、大関です。(@nobooknolifeso)
『誰もボクを見ていない』(著 山寺香)を読み終わって、数ヶ月経ちますが改めて感想を書いてみました。
2014年埼玉県川口市で起こった殺人事件。孫の少年が祖父母を殺害した。殺害の動機は「金目当て」だったという。報道で、それだけを目にしたら、素行の悪い不良少年が遊ぶ金ほしさに起こした犯罪という印象を受けるだろう。だが、少年の生い立ちが明らかになると、この印象は一変する。なんと、この少年は「居住不明児童」だった。両親から度重なる虐待を受け、学校にも通うことができなかった少年が起こしてしまった犯罪の一部始終を知り、裁判の上告棄却後に著者が少年宛に出した手紙の返信の内容に胸が苦しくなった。
〈社会に望むことは何ですか? 今後どう生きたいですか?〉
みんながみんな「こんな社会になってくれ」と望むだけで、誰もそうしようと行動しなければ意味がありません。自然現象でそんな社会が手に入れば苦労はしないと思います。
だから、できる範囲で自身の理想の社会と似た行動をしていただければ、と思います。
平等な社会を望むなら普段から平等に物事や人を扱ってください。
差別のない社会を望むなら普段から差別をせず、人を見つめてください。
貧困のない社会を望むなら普段からそのような人を見つけたら助けてあげてください。(頁189から一部抜粋)
著者が、この本で一番伝えたかったであろうメッセージは、
どんなに同情したり、心を痛めたとしても、行動を伴わない「善意」は現実を変える力はなかったのだ。(頁224)
に集約されると思う。
少年の言葉にもあったように、できる範囲で自身の理想の社会と似た行動をとっていきたい。
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