「劇薬書籍」をふり返る 第一弾。

こんにちは、大関(@nobooknolifeso)です。

タイトルにある「劇薬書籍」とは、僕が勝手に名付けたものです。
読んでいて描写から吐き気を催したり、あまりにも救いようのないほど後味が最悪だったり、自分の身に迫るような恐怖を感じたり、トラウマになったりする書籍のことです。

これまでに読んだ中から選んだのがこちらにあります。
https://bookmeter.com/users/15501/bookcases/11234506

これまで読んできた劇薬書籍の中からテーマを決めてふり返ってみました。

第一弾、逃げ場なしへと追い込まれていく

1、世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫) / 歌野 晶午

1、は『葉桜の季節に君を想うということ』で知られる歌野晶午さんの小説。
子どもを狙った連続誘拐殺人事件が起き、主人公の息子が仲良くしていた近所の子もその被害者となってしまいます。
事件から数日後、息子の部屋に入ると机の中には被害に遭った子どもの親たちの名刺が数枚と息子の日記を見つけます。その日記の内容を読み、犯人は自分の息子なのではないか? という疑惑を持つ地点から物語が分岐していきます。この後自分たち一家はどうなってしまうのか? 読んだ直後よりも、後からじわじわと来る作品。


2、LAST (ラスト) (講談社文庫) / 石田 衣良

2、は『池袋ウエストゲートパーク』や『娼年』で有名な石田衣良さんの小説。
年齢、性別、環境も異なる7人のそれぞれを描いたオムニバス。ごくありふれたサラリーマンや主婦が借金などにより後のない状況に追い込まれていく様子は読んでいて辛くなってくる。


3、忌中 (文春文庫) / 車谷 長吉

3、は平成10年/1998年上半期『赤目四十八滝心中未遂』で直木賞を受賞した作家、車谷長吉さんの作品。
表題作の「忌中」は、病気に苦しむ妻から殺してと頼まれ、妻を絞殺した男が後追い自殺を試みるが死ぬ勇気が出ず、自分を自殺に追い込むために借金を重ねていく様子を描いたドキュメンタリータッチな小説。

2、3、はお金が無くなって追い込まれていく物語で、自分の潜在的な心理に「お金=生きていく上での必需品」という刷り込みがされているのだなと感じた。

「人の不幸は蜜の味」ということわざがあるけれど、物語を通じて人の不幸を追体験するのは恐怖をともなうものです。

そして、本から離れて安堵する。

「よかった、これはフィクションなのだと……。」

#読書 #劇薬書籍 #歌野晶午 #石田衣良 #車谷長吉

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