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フォロワーさん0人になる覚悟はないけど、写真界に対し思ってること書いてみた。【前編】

◆目次

【前編】
・自己紹介
・写真のプロって?
・いい写真って?
【後編】
・なぜマウントの取り合いがはじまるのか
・写真を「仕事にする」ということ
・写真を撮る人としてのあり方が問われる時代

■自己紹介

1981/12/24 福岡出身
もともと教育の畑にいた人間。家庭教師やセミナー・研修を行う講師。
研修をしながら写真を撮り、最後動画にするというのを行っており、その延長線上で写真にハマる。
研修やイベント、人を撮ることが楽しくて撮影する。
2011年に1年間要望あれば無償で撮りに行きます宣言をして1年間撮りまくり独学で勉強。この1年でSNSでのプロフィールに使ってもらったりブログ素材やホームページ素材に使用してもらうことが多くなり、2012年に撮影は有償にします宣言。
ここでスクールフォトを知人に紹介してもらい、プロカメラマンとしての基礎を写真館で学ぶ。
世代的にインターネット・SNSの発展と共に育ってきた世代なので、SNSの活用もあり定期的に撮影依頼が入り、有償撮影の依頼が増えてくる。
有名どころでは集英社のプレイボーイの記事中の写真も撮影経験あり。
決してグラビアではないです(笑
2016年にInstagramに力を注ぐことを決め、ポートレート撮影を本格的に無償ではじめる。ディズニーポートレートがうけて、着々とフォロワーが増え、2018年にフォロワーが1万人超え、インフルエンサー登録サービスでPR案件もこなすように。インフルエンサーの登竜門と言われる時計のダニエルウェリントンの案件も定期的に受けている。
また2018年9月にポートレートの会員制撮影会PureWhite撮影会を立ち上げ運営。

■写真のプロって?

SNSでよくプロカメラマンって?フォトグラファーって?
プロカメラマンより「いい写真撮る」的なお話がありますが、大抵の場合、プロの区分もされないまま議論がされるのを個人的には、まずプロの区分からだろう・・と感じています。

個人的には大きく3つのフィールドに分けています。

まず1つ目が写真家、フォトグラファーと呼ばれる人。
この人たちは、いわばアーティスト。芸術家です。

何が価値で、何が仕事になっているかというと、
「表現そのもの」です。

撮影した写真自体にアートとして、芸術としての価値があり、人が評価し金銭が発生し、生きている人。これが、プロの写真家です。
写真にアートとしての価値がありさえすれば、どんな機材で撮ろうが、ライティング技術がなかろうが、ピントがあってなくてもブレてても問題ありません。

次にプロと呼ばれる人で僕が区分しているのが、広告系フォトグラファーです。
企業の広告等で使う写真を撮影する人。ディレクションまでできると収入は1案件の額も跳ね上がる夢のある世界ですね。
アーティスト性に加え、クライアントからの要望に答える必要もあり、またどこにどう使われるのか。どうプリントされるかまでをトータルで考えて最適解をアプトプットできる人。

そして、3つ目が僕が属しているところですが、サービスとして写真を提供するカメラマンです。
ブライダルやスクールフォト、写真館などでの家族・子ども撮影などがここに分類されます。チェーン店の子ども写真館なんかではアルバイトでもカメラマンができるフィールドですね。実際求人もあります。
フィルムからデジタルに変わってハードルが下がったこともあり、スクールフォトやブライダルも今は以前ほどプロとしての技術がいらなくなったと思います。
僕自身が、プロとして収入を得られているのも完全にデジタル化のおかげですね。
ブライダルやスクールフォトで重要なのはアーティスト性は全く求められないということで、「お客様の求める写真」「お客様が喜ぶ写真」です。
特にスクールフォトでは、どんなにアーティスト性に富む写真で、作品として評価されるような写真だったとしても、保護者が1枚も買わない写真、また卒業アルバムに使えない写真というのは、「価値のない写真」となり価値としてはゼロなのです。

細かくわけるとすると、ブライダルの前撮りや後撮り、カップルフォトなどでもアーティスト性が求められる部分もありますが、大きくわけた3分類なので、ここでは割愛します。

また、最近流行っていて喜ばれるカップルフォトやブライダルの前撮りであれば、アマチュアカメラマンでもある程度の技術を持っていれば撮ることが可能なのは間違いないです。
ここが、プロとの境目が曖昧になっている要因でもあります。
一世代前のプロが、簡単に名乗れる「フォトグラファー」に異論を唱えるのもここを理解していない節があります。

個人的には「そういう時代」という認識ですね。

■いい写真って?

いろんなところで議論される「いい写真」という言葉。
個人的にはこの「いい写真」というのも人それぞれなんだから・・と思ってしまいます。
前のテーマでも軽く言いましたが、どんなにアーティスト性に富んで、イイねがたくさんつく写真だったとしても、スクールフォトにおいて1枚も売れなければ、それはいらない写真です。

人によっては「全然いい写真が撮れない・・」なんて言われたりしますが、趣味の世界であれば、そこまで気にすることでもないし、いい写真なんて曖昧なのに・・って思ってしまいます。

僕自身が「いい写真」と使うときは趣味のポートレートの世界では単純に「個人的に好みの写真」ってだけです。

SNSが発展した今では、イイねやRTが多く拡散されている写真がいい写真。とされがちですが、単純にたくさんの人が見て、イイね押して拡散した写真って事実があるというだけな気もします。
たとえば、恐れ多くも一昨年にいわゆるバズった写真がありましたが・・・
アーティスト性がある写真なわけでも、特別な技術を使ったわけでもない写真で、偶然撮れたものです。
こちらの写真ですね!

たまたま撮れた「良さげな写真」というのが、個人的なこの写真の評価です。
プロだからこそ撮れた写真とも言えません。たまたまです。

ポートレートに関しても、おそらく10万枚は見てきていると思いますが、「いい写真」というのは個人的によくわかっていません。
これがアーティスト性がない証拠なのでしょうが・・・
好きな写真、好みな写真はたくさんあります。
それが、一般的な「いい写真」なのかは不明です。

よく、イイねの数が写真の上手さではない、いい写真というわけではないという議論がされますが、何をそんな大前提を・・・と思っています。

先日、30人ほどのモデルと40人ほどのカメラマンが集まったポートレートのイベントがありましたが、その中で一番イイねがつき拡散されたのは、モデル同士で撮りあったポケモンのコスプレ動画ですからね・・
ちなみにこちらです。

撮影会モデルのあるあるが、総額何十万という機材できちんとライティングして撮影してもらった写真よりも、朝にめっちゃ盛れたアプリで撮影した自撮りの方がイイねやRT伸びるというお話ですよね。

こういうのは、もう「そういう世界がSNS」っていうだけですよね。

さて、「いい写真」というところに戻すと、結局趣味のフィールドで楽しんで撮っている人は、自分がこれ好きーー!!って思える写真が「いい写真」なんでしょうし、趣味のフィールドでもコンテストで入賞したり、何かで認定されたり、雑誌に載った写真というのを目的に撮っている人は、結果を残した写真が「いい写真」なんでしょう。
SNSで拡散やいいねに拘っている人は、より拡散されいいねがついた写真が「いい写真」なんでしょう。

それぞれのフィールドでそれぞれが解釈してしまうので、なんだかんだ議論するよりも、個人が自由に楽しみさえすればよくて、撮った本人以外がとやかくいう問題でもないかなと思います。

プロというくくりでも、最初にあったようにプロにも色々なフィールドがあるので、一概に「いい写真」というのは難しいのです。


【続く】

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