見出し画像

手取川&吉田蔵 ~作り手の想いと味わい~

富山県高岡市のある酒屋さんが主催する月に一度の日本酒セミナー
今回は、石川県白山市の吉田酒造店の7代目・吉田泰之社長(蔵元杜氏)をお迎えしての開催でした。
吉田酒造店は今年が創業150年。蔵の看板銘柄「手取川」と、約20年前に立ち上げた銘柄「吉田蔵」
私が日本酒を好きになった原点は手取川でした。それ以来、今でも大好きな酒の一つです。
今回、吉田酒造店の10種類を飲み比べ。

その中でも、吉田蔵銘柄の飲み比べをまとめておきます。

1本目は吉田蔵純米酒。

画像1

写真は別の時に飲んだものなので生原酒ですが、今回は火入れでした。
石川県産五百万石で仕込んだ純米酒は、しっかりした酸味と米の旨みを感じられます。
これぞ日本酒という味で美味いです。お燗でも飲みたいな。
ラベルのグレーは石川の大地をイメージしているそうです。

2本目は吉田蔵純米吟醸。(ここからは単独写真がなかった💦)
こちらは石川の酒米、石川門で仕込んだもの。
程良い甘み、米の旨みが石川門らしくて美味い。結構好きな味です。
石川門は米が繊細で割れやすく、使いづらいと言われていますが、吉田酒造としてはこれを完璧に使いこなせるようになろうという想いがあるそうです。
地元の米の力を引き出す。まさに自然との共存。その意味もある緑のラベルでした。

3本目は吉田蔵純米大吟醸
これは麹米に百万石の白、掛米に石川門と、石川の酒米2種類を使っています。
香りは穏やか。口の中に広がる米の甘みはとても優しい感じがします。
すごい美味い。広い空、田んぼ、夕日といった、白山市の風景が思い浮かぶような味です。
2019BYから本格的に仕込みが始まった百万石の白。
だからこそ、まだ発展途上。それを意味した紫のラベルだそうです。

3本甲乙つけがたいですが、いちばん気に入ったのは純米吟醸かな。
大吟醸はもっと何か持っている感じしますね。2020BYの造りにも期待です。

3本を飲み比べて、その味わいの中に、「吉田蔵」の銘柄の中に秘められた、酒造りへの強い想いを感じました。

吉田蔵は、自然を想い、大地のサイクルから外れない、持続可能な酒造りを目指す。田を守り、農を守る、水を守るという思いが込められている。
だから、地元の米、地元の水、地元の金沢酵母で仕込む。そして、来年からは能登杜氏の技である山廃仕込みに切り替える。

手取川銘柄は昔柄の味を守り、吉田蔵銘柄は会社の想いを乗せた酒を作る。

社長の強い想いが、お酒から伝わってきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?