食品衛生責任者講習を受けました
山梨の志村は平々凡々、令和の三年、若くして名を虎榜に連ねられず、ついでに仕事を辞めたが、性、狷介、自ら恃むところ頗る薄く、賎吏に甘んずるを潔しとした。
このnoteを放置すること約半年、山月記をパロって帰ってきました。
仕事を辞め、ついでに人間も辞めて虎になりたいと思う今日この頃、まだ人間としての感情が残ってるうちに漢詩を残したい。(残せるとは言っていない)
そんなことより、標題の通り食品衛生責任者講習を受けてきました。
今回は食品衛生責任者講習を受けた理由と講習内容などを簡単に書いていきたいと思います。
食品衛生責任者について
そもそも食品衛生責任者とは何ぞやというところですよね。
ざっくり言うと、飲食店などに必ず設置する必要があり、衛生管理したり営業者に意見したりする人です。
しかし、だれでもいいというわけではなく、以下の条件を満たす人しかなれません。
①栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者(注1)の有資格者。
②都道府県知事等が行う食品衛生責任者になるための講習会または都道府県知事等が適正と認める講習会の受講修了者。
(注1)医師・獣医師・歯科医師・薬剤師または、学校教育法に基づく大学で、医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学の課程を修めて卒業した者等。
ー一般社団法人東京と食品衛生協会HPより
つまり、厳密に言うと食品衛生責任者というのは資格ではないんですね。
なので講習会を受けると、
「食品衛生責任者となる権利を得られる」
というステータスになります。
しかも更新とかもないので、一度取得すれば一生その権利を持つことができます。
理由:取りやすかったから
李徴の受けた科挙と違って、食品衛生責任者はマジで取りやすいです。
17歳以上で日本語が理解できれば、12000円払って講習会に一日参加するだけで食品衛生責任者と名乗る権利を得られます。
さっき引用した条件の②ですね。
僕は文系の大学出身で、卒業と同時に得られる資格などなかったので、もってる資格といえば英検と漢検、それとコーヒースペシャリストくらい。
仕事辞めて無職になったので、
「取れる資格なら取っとくか」
くらいの軽いノリで申し込みました。
いつか飲食店を開くことになっても必要になるので、取っても無駄にはならないですし。更新とかもないし。
講習の流れ
講習は9時30分~16時30分までの座学です。
会場はいろいろなところがありますが、僕が参加したのは立川のホテルでした。
パーティールームのような大広間で、130人くらい集まっていました。(コロナ対策で席の間隔が空いていました。)
フカフカの椅子とテーブルクロスの敷かれた長机、天井にはお洒落な照明…一体僕は何しにここへ来たんだ…
こんなご時世ですので、まずは入り口で検温と体調や渡航歴などのチェックリストを書きました。
その後、受付表と本人確認、受講料を払い、指定された席に座ります。
座席にはテキストと裏面がメモ欄の黄色いパンフレット、出席カードが置かれていました。
↑テキスト
食品衛生学、食品衛生法、公衆衛生学について200ページ超載っていますが、どう考えても一日ではできないので、講師の方が要点のみ読み上げるという形でした。
↑パンフレット
講習の内容や注意事項など。裏面はメモ欄。
出席カードは住所や名前などを記入後、昼休み前に回収されました。
講義内容としては、食品衛生学、食品衛生法、公衆衛生学の3本立てで、午前に食品衛生学と公衆衛生学、午後に食品衛生法とテストでした。
食品衛生学では、食中毒の原因となる微生物や症状、ウイルス対策などを中心に見ていきました。
公衆衛生学は、水や労働衛生、感染症などが中心でした。コロナのことがテキストに書いてあるあたり、常に最新の情報がアップデートされてるっぽかったです。
食品衛生法では、食品安全基本法、食品衛生法、食品表示法などが中心でした。最近法改正があったらしく、HASSPについて重点的に取り上げていました。
最後にテストがありますが、センター国語の現代文のような選択問題が5問出題されます。
講習中に、ここテストに出ますといわれるので、そこを押さえておけば満点取れますし、日本語が理解でき、ある程度の常識があれば間違えることはないくらい簡単です。
おそらくテストは形式的なもので、たとえ全問不正解でも大丈夫だと思います。(簡単すぎて全問不正解するほうが難しい)
テストの採点が終わると、食品衛生責任者手帳がもらえます。
内容としては、受講終了証や食品衛生責任者の選任・役割など、講習会の受講記録、健康診断・検便の記録、食中毒予防法などが書かれています。
分厚くて結構お高そうな紙が使われています…
これを受け取れば、晴れて食品衛生責任者と名乗る権利を得ることができます。
受講して思ったこと
受講して思ったのは、日本の食品衛生対策というのはかなりしっかりしているということです。(店側がちゃんとやっているかはともかく…)
例えば食中毒に関しては、原因となる微生物や発生しやすい環境、症状、対策など事細かに研究されていました。
食中毒の微生物だけで10ページくらい割いているので、食品衛生責任者としても一番気を付けなければならない箇所なのかもしれません。
店で食中毒を起こすと、営業停止やら業務改善命令やらで結構大変なことになるっぽいですし…
この話を聞いたら、水道水を塩素消毒するのも、野菜を洗剤で洗うのも、実は必要なことなんだなと思いました。
また、手の洗い方から食品の取り扱い、施設の構造まで、食品に関することはかなり厳しくルールが決められています。
ルールが厳しいおかげで、安心してご飯が食べられるのかなと思いました。
最後に
講習の内容としては結構ボリュームがあるので一日ではとても把握しきれませんでしたが、食品衛生責任者として学ぶべきことは多いと思いました。
その中でも日常生活に役立つものもあるので実践していきたいです。
例えば食中毒対策について。
食品取扱いの三原則というのが定められており、
・清潔(微生物をつけない)
・迅速又は冷却(微生物を増やさない)
・加熱(微生物を殺す)
この3つを家庭でもしっかり守ることが大切です。
具体的な対策として、
・冷蔵庫は10℃以下、できれば5℃以下
・冷凍庫は‐18度以下
・肉類の加熱は、中心温度が75℃1分以上
・二枚貝の加熱は、中心温度が85~90℃1分半以上
などがあります。
これもしっかりとルールとして定められているので、普段の調理でも気を付けていこうと思います。
まだ飲食業界に転職するかわかりませんが、ここで得た知識をフル活用していきたいと思います。
僕らは虎ではなく人なので、正しく安全に食事を楽しんでいきたいですね!
李徴も食生活には気をつけろよ!
今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。
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