妻のパンチライン5選
昨日、妻のことをnoteに書いたところ、仕事のことを書く以上に反響があった。嬉しいのか悲しいのかよく分からないが、まぁなんというか誇らしい気持ちだ。何人かからは、ぜひもう少し何か書いてくださいという、ファンレターかよ!みたいなメッセージももらった。その勢いでもう一本、妻に関する内容を書いてみる。
僕の妻は、パンチライン(名言)をよく放つ。大阪のミナミの出身だからか、どこかにうまいこと言おうって強い気持ちがある気がする。(大阪人は東京の人が想像している以上に普段のコミュニケーションに関して命をかけている民族だからね…)というわけで、僕が記憶に残っている妻の名言を5つ紹介しよう。
好奇心は簡単に死ぬんやで。あんたが殺したんや。
妻はプロの母親だ。主婦というと仕事してない人みたいな世間的認識があるが、妻はガチで子育てしてる。子どもが何か表現しようとすることに正面から向き合い、絵を描くにも本物の画材で描かせたりもする。だから僕がたまに油断して子どもがやろうとしてることをサポートしなかったり、見せてきた成果物にリアクションしなかったりすると怒る。そのときに発した台詞がこれ。「もしかして才能になるかもしれなかった好奇心を殺したのは俺なのか」と思うと反省の気持ちしかなかった。確かに子どもは大人が想像してる以上に大人のリアクションを見てる。反応がないのは大人だって辛いからね。それ以来、子どものやることには必ず(少し大げさに)リアクションするようにしている。
幼児期の成長率なめんな。シリコンバレー以上や。
妻は3歳までは自分の手で子育てをすると宣言している。三つ子の魂百まで、とも言うように、その時期が一番吸収率も高く、インプットとアウトプットの数だけ成長するらしい。だから僕が土日の子育てを仕事などで後回し的にすると、おいおい、みたいな顔をする。そこまでしてやる?あんたの会社の成長率はどんなもんや?こどもはシリコンバレー並やで!と詰め寄られる。そのときの台詞。妻の脳みそでは、子どもとGAFAの価値は同レベルで認識されている。
メルカリで買うたびに、クリエイティビティ落ちてるよ。
以前、メルカリで服を買うことがあった。二回連続、なんか想像と違ったものが届いて、うーんなんか違ったわ、という話を妻にした。妻は呆れた顔をして言った「アホやね、でも着るんでしょ?そうやって時間を優先して素人画像だけで判断して、結局イメージと違うのに中途半端に受け入れて、それで着ちゃって妥協に慣れてるわけやん?はっきり言って、メルカリで買うたびにあんたのクリエイティビティ落ちてるよ。表現を仕事にする資格なし!」と一網打尽にされた。メルカリが悪いわけじゃない。おれの消費の雑さが突っ込まれてるのだ。妻の中では『消費はメッセージ』という哲学があるらしく、何か使い捨て感覚でモノを買いそうなとき、小声で「メッセージ、メッセージ」と言われる。
長い間付き合ってる恋人とダラダラ結婚しないんは、風呂入らずに寝るようなもんや。
これは迷言かもしれないが笑、僕の友人が家に来たとき、「長い間付き合ってる彼女がいるけど、まぁなかなか結婚するきっかけがなくて…」みたいな話をした。妻はふんふんと聞きながら突然「あなた、酔っ払って家帰ったとき風呂入らずに寝るタイプやろ?」といきなり切り込んできた。妻曰く、そのとき風呂入るの面倒なのも、そのまま気持ちよくベッドに横になりたいのは分かる。でも風呂入ったら気持ちいいし、酔いも覚めるし、明日さっぱり起きられる。そういう踏ん切りは誰かが与えてくれるんじゃなくて、結局自分の気持ち次第やねんな、と。そして満足したように「頑張りや」と言って、その会話は終わった。
ラスト!(長かった…)
これは僕が出会ったばかりの時のエピソードだ。銀座のとあるレストランに出かけたが、仕事のメッセージが何通も届き、食事中にも関わらずスマホをいじっていた。急ぎのやりとりがなかなか終わらず、会話が途切れ途切れになった。そのとき妻はおもむろにテーブルを叩いて言った。「どっちにオンラインやねん!」
盛り上がっていた一気にレストランは静まり返り、僕はスマホを落とし、ディスプレイは粉々に割れた。というのはウソだが、それくらい衝撃だったことを覚えている。それ以来、僕はなにか本当に必要なときはトイレに行ってスマホを触るようになったが、最近子どもに見られて以来「うんフォン(うんこiPhoneの略)」と呼ばれている。死にたい… 今日も僕は妻のおかげで生きている。