なかなか働き方が変わらない国、日本。次の働き方改革は、就活・仕事選び。 #ES公開中
今年も就活が始まった。次の5月で平成も終わりだが、この30年間は本当に昭和の働き方を引きずった時代だった。経済も技術も個々の価値観も大きく変わっているのに、社会システムがなかなかアップデートされない。ドリンクは、リポビタンDからレッドブルに変わったけど、結局は“モーレツ”なまま。構造的な欠陥から悲惨な事故は起き、ここ2-3年ようやく「働き方改革」が叫ばれ、議論が生まれてきた。ついに4月からは働き方関連法が施行されるらしい。内容には気になる点も多々あるが、社会システムの根幹である法律が時代に合わせて変わっていくこと自体、良いことだと思う。むしろ逆に今までよく変わらずにきたもんだ。(こういう集団的な慣性の法則は良くも悪くも日本だなと思う...)
ただこれは雇用環境の話で、その手前にある「仕事選び」は全然変わっていない。特に新卒採用。財政破綻したJALが未だに一位とか信じがたいし、これだけ大企業の大量リストラが問題になる中で、成長が鈍化している大企業がランキングの上位を占めている事実に頭がクラクラする。どうしてこういうことになっているのか。それは多分、あまり考えていない、ある種の思考停止しているからだと思う。でも学生を責める気持ちにはなれない。なぜなら誰も仕事選びについて教わっていない状態で、いきなり就活戦線に立たされるわけだから。
正直、自分も学生の頃は同じようなもんだったと思う。労働市場が流動化していない日本では、新卒のタイミングを逃すと取り返しがつかない。そういう空気がある。だからよくわからないまま、就活という船に飛び乗る。でもそれは半年ほどの短期航海。その間にどこかの会社に入らなければならない。しかも業界や企業研究、OB訪問、エントリーシート、面接などやるべきことは異常に多い。まだ日本は終身雇用制であることを考えると、この無理ゲーにもかかわらず、40年以上働く場所を決めるのは正気じゃない。自由恋愛になる前の、お見合いのほうがまだマシだ。
そろそろ仕事選びについて、本気で議論しませんか。
話は少し逸れるが、僕の人生はほぼ平成の30年間だった。自分たちでその教育を選んだわけでもないのに、メディアからは散々「ゆとり世代」だと揶揄されたが、最近は手のひらを返したように「ミレニアル世代」になった。確かにアメリカなどでは、その世代がオバマ大統領を誕生させたり、全世界的なITプラットフォームを立ち上げたり、社会を大きく変えている。でも日本はどうだろう。むしろ割り食っているだけだ。僕は悔しい。だから今、社会のあるべきアップデートするために、VISIONING COMPANY「NEWPEACE」をやっている。自動運転、シェアリングエコノミー、クラウドホーム、FinTech、D2C、VC、SDGsなど様々な潮流を仕掛けているが、年寄りの国は本当に腰が重たい。だからちょうど良い論点設定が重要だ。それでずっと頭にあったのが、次の働き方改革のテーマになりうる「仕事選び(就活市場)」だった。
実は、NEWPEACEを立ち上げる前に、僕は一つの会社の立ち上げに参画している。それが「ワンキャリア」だ。ワンキャリアは、半実名のクチコミをもとに、ブラックボックスの就活市場を透明化しようとしている。僕がいた頃はまだ新興サービスだったが、代表の宮下を中心に地道に学生コミュニティをつくり、信頼性のあるクチコミデータを集め、今では10万件以上にのぼり、ある一定レベルの就活生では知らない人がいない就活アプリになった。そんなタイミングだからこそ、ワンキャリアとともに就活市場に変革を起こすべく、狼煙をあげることになった。敵は過去であり、固定化された慣習。アジェンダは以下の3つだ。
詳しくは、今後「就活に、透明性を。」というビジョンの下、具体的なアクションで問題提起、提案を行っていきたいと思う。
その第一弾として「#ES公開中」というキャンペーンを開始。人気企業の通過エントリーシート(ES)を流出させた。→ 特設サイトはこちら
はっきり言って、ESをばらまくことに意味はない。事実ワンキャリアに登録すれば、3万6000件の通過ESをタダで見れるのだから。でも実際に石を投げて、議論のきっかけをつくることが重要だと思っている。受験ですら過去問をやるのに、就活はなぜか情報の非対称性がありすぎてその習慣がない。はっきり言って、慣れないエントリシートに時間をかけるのは無駄だと思う。ただでさえ時間がない就活なんだから、自分のやりたいことやありたい姿を考える時間、人と会って話す時間に使ったほうがいい。ってことを言うために、あえてばらまいた。そして、これは始まりに過ぎない。ここから、どんどん市場の透明化に向けて、仕掛けていきたいと思う。ユーザー発想になれば、いずれはきっと「就活」なんて境界線もなくなるだろう。そして、働き方のはじまりが変われば、日本はもっと変わる可能性がある。これは学生と人事部だけの問題じゃない。ぜひみなさんも意見表明してください。
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就活に、いや採用に透明性を #ES公開中 / Kodai Teraguchi