zoom用の外部マイクの設定

COVID-19の流行拡大に伴って、zoomが広く行き渡っているせいか、このnoteのアクセスの半分をzoom用に外部カメラを接続するという記事が稼いでいます。一体誰の役に立つのでしょうか、と言っていたわりに役に立っているようです。何がどうなるか分からないものですね。

さて、その時も書きましたが、zoomを使用する際、外部カメラとしてミラーレスカメラを使用しているのですが、そこに外付けのマイクを接続して使っています。カメラやパソコンの内蔵マイクよりも質が良いはずで、そのために使っているのですが、実際のところ、音声にノイズが載っているということを相手からたびたび指摘されまして、どうしてかなと思っていました。

ようやく最近になって調べることができましたので、どのようにすればノイズを減らせるのか、対策を書いておきたいと思います。

1.カメラの設定

これはカメラによるのかもしれませんが、マイクの録音レベル(カメラメーカーによって呼び方が違うでしょうか)をオートにすると、良い音で収録ができないようです。必ずマニュアルで音量を調整する必要があります。なぜかはよく分かりません。私はここのところからできていませんでした。つなげば使えるものだと思っていたし、実際にある程度は使えていたのですね。

それから、これはマイクによりますが、マイクの方でゲイン(入力)を上げることができる機種があります。そうすると同じ音を得るのに、カメラ側の音量を押さえることができます。一般にマイクが作る音とカメラで作る音で言うと、音を拾うことに特化したマイクで作る音の方が良いと言われています。そのため、マイク側のゲインを上げて、カメラ側のゲインを下げる、ことで音質を良くするという設定の仕方が推奨されています。

けれども、私の場合、手元にゲインを上げられるマイクがあったので試してみましたが、これをすると確かに声は浮き立つのですが、機械的に誇張されたような音声になってしまって、長い時間聞いていると疲れそうでした。そのため、このような設定はしていません(それはともかく、自分の声を聞くと疲れますね)。

2.背景音

zoomでの使用を考えれば、マイクは一定の方向だけから音を拾う、つまり自分の声だけを拾える指向性のあるものが適しています。けれども、部屋の中にはいろいろな音があります。たとえば、エアコン、冷蔵庫、部屋の外の音、換気扇の音などです。

マイクにはダイナミックマイクとコンデンサーマイクという2つの種類がありますが、前者はカラオケのマイクのように口に近づけなければいけないため、zoomでの使用には適さないでしょう。そのため、後者を選ぶことになりますが、この感度の高いマイクは、一方で声をよく拾ってくれますが、他方でこうした背景音も一緒に拾ってしまいます。

そのため、音のする電子機器類の電源を切る必要があるかもしれません。とはいえ、気候の良い時であればできるかもしれませんが、エアコンを切るのは難しい時もあるでしょうね。できるだけ離れる、吹き出し口の風が当たらないようにする、などの工夫が必要かもしれません。

マイクにハイパスフィルターと呼ばれる、低音部を通さない機能がついている場合には、それをオンにすることで、背景音のうち低くうなるような音を切ってしまうことができます。その分、自分の声の低音部分もなくなって、聞きやすくなったり聞きにくくなったりもしますが。

zoomは通信量が小さく、軽いのですが、その分映像も音声も圧縮率が高めです。そのせいだと思うのですが、背景音が一定程度あると(たとえば掃除機や食洗器など)、音のはじっこがグシュグシュッとした圧縮のかかったような音になる気がします。圧縮率の高い画像を見ると、ブロックノイズと呼ばれる画像の乱れが目に付きますが、ちょうどそんな感じの乱れを感じて、音声が聞き取りづらくなります。これは音声の取り込み方の問題ではなく、zoomの圧縮アルゴリズムの問題ではないかと思うのですが、そのために改善の手立てがありません。背景音のない環境を作るしかないように思います。

3.zoomの設定

ただし、zoomの設定で改善できることもあるようです。zoomソフトウェアを立ち上げて、「設定」を開くと、たいてい「オーディオ」のタブが選択されていると思います。そこによく見ると、「詳細」というボタンがあります。

スクリーンショット 2020-04-23 1.26.02

これを押すと、詳細設定のウィンドウが開きます。

スクリーンショット 2020-04-23 1.24.13

ここにある、「連続的な背景雑音の抑制」「断続的な背景雑音の抑制」を「無効化」すると、不思議なことにかえって変に歪んだ音にならないようです。あまり優秀なアルゴリズムではないのでしょうね。

4.マイクの位置

最近になってマイクの位置を変えるようにしました。以前はカメラの上に乗せていたのですが、そうすると口元から2mほど離れます。それくらいであっても、口元から離れれば離れるだけ、音は声を拾うというよりも空間を拾うものになってしまいます。つまり、他の音の中に声が混ざったり、声が広がって輪郭のぼやけた音になってしまうのですね。ですので、最近はできるだけ自分に近いところにマイクをおいています。

試してみたのですが、マイクを机に置くと低音がこもります。自分の顔より上に持ってくるとこもりが消えてすっきりします。でもちょっと音に厚みがなくなる気がしました。そのため、最終的に口元と同じ平面上にマイクを持ってくるようにセットしています。試しに段ボール箱の上に乗せて高さを調整しましたが、それくらいでは音がこもることもありませんでした。カメラに写らない範囲でできるだけ近づけて、口元と水平の位置にマイクをおくと良さそうです。

でもこの辺は声質によっても違うのでしょうね。

5.マイクの選定

良いマイクを使えば音は良いし、安いマイクを使えばそうではないのでしょう。でも自分で動画を作るのではなく、zoomで送る映像なので、最終的にその質はzoomの性能に依存します。あまり高いものを買わなくても良いのではないかと個人的には思っています。

これがお勧めというほどに試していませんが、5,000円から10,000円程度の範囲内で選べば、カメラで動画を撮る他の場面でもそれなりに役に立つのではないでしょうか。

なお、本格的に良い音を作ろうと思えば、オーディオインターフェースを使うこと、空間を録るマイクと音声を拾うマイクなどをミックスさせること、などの努力が必要になるようです。そこまでのものをzoomに求めても仕方がないと個人的には思っています。

以上です。

マイクについては、カメラに付けるマイクではなく、USBに直接挿せるUSBマイクなどもあって、そちらの方が使い勝手がいいかもしれません。ただ、今のところzoomが流行りすぎて主だったUSBマイクはどこも在庫を切らしています。私は手元にカメラ用のマイクがあったのでそれを使っていますが、そうでない場合、カメラやパソコンの内蔵マイクを使っておくか、あまりメジャーではないマイクを選ぶかしなければならないのでしょう。

早く騒動が収まるといいですね。その時にはzoomの需要も下火になっているかもしれませんが、直接会うことができて、その場を共有できるのであれば、その方がいいのではないかと思います。

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