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ものの価値なんて結局わからない

先週書いたnote──何となくテーマだけは決めて書き始めた後、当初考えていたことと、違うことを書いていたことに書き終わって気がついた。

実は書いている途中で、すごく、すごく、すごく落ち込む仕事の残念なお知らせメールが来て、書きながらそれを読んでしまったせいで、もうそれで書いてる場合じゃないというか、情けなさやら自分への怒りやら不甲斐なさがあふれて、湧いてくる感情を書き殴ってるうちに何を書こうとしていたのかわからなくなってしまって、読み返すのもイヤになるようなネガティブワードの大洪水で、むちゃくちゃ長いし、読むのもうんざりで、読まずに削って、削って、でも、月曜にアップするって決めてるので、何とかしようと思って、書き直しているうちに、なんだかタイトルだけはそのままで、思ってもなかった文章になっていた。

ま、それはそれでいいかって思ってたんだけど、結局何が書きたかったんだっけ? って、書き終わる頃には完全に忘れてしまっていた。

それが何だったか昨日思い出した。

朝、テレビ番組を録画しているブルーレイレコーダーの番組の録画データを削除していて、ああ、これだった!って思い出した。

実にくだらないことだった。
なので改めて書くほどのことでもないんだけど、せっかく思い出したから書いておくことにした。

録画した番組のいらないものを消してハードディスクを整理していく。
残す番組は外付けのハードディスクに保存。
いらないなと思った番組は削除する。
この番組残しておこうって思うのは、アニメだったり、ドラマだったり、ドキュメンタリーだったり、何となく残しておくことに意味のありそうなも。
消しているのは、たまたま取れてしまった「イベントGO」って深夜の情報番組だったり、枠が変わってドラマの放送が終わっているのに録画時間の設定を変更しないでそのままにしていて、ずっと録りつづけているバラエティ番組だったり、意図しないで録画された番組とか、そういうもの。

そうやって選びながら、ふと思った。
こうやって選り分けてるけど、何年も経ったときに「これ面白い!」って思うのって、今こうして消しているどうでもいいような番組だったりするよなって。

最近、実家の片付けをしていて段ボールから大量のビデオテープが出てきた。
当時のアニメとか映画を録画したVHSのビデオテープ。

当時はソフト化されないアニメも多かったのできちんと保存するために、必死にCMをカットしたり、そのためにリアルタイムでテレビ画面に向き合っていたけど…
30年近くたって、あの頃必死で録画していたそれは、サブスクで簡単に見れる作品ばかりで、画質も悪くて、ビデオに残された映像そのものには何の価値もなくなっていた。

例えばエヴァンゲリオンの初回放送時のビデオテープ。
当時は、毎回食い入るようにテレビにかぶりつき、家にいる時はCMをカットして録画していた。
放送時にやむなく外出していたときは、予約録画していたけどそれだとCMカットできてないことが不完全な気がして、失敗した気分になった。

あれから27年経って、改めてそのビデオを見たときに、おお!!って感動したのは、CMの方だった。
エヴァンゲリオンのアニメ自体はサブスクでいつでも見れるけど、あの時流れてたCMはあの時の録画でないと見ることができない。
今むしろ見たいのは当時はいらないってカットしていたCMの方だ。

他にもそんなテープがあった。
映画のタイトルのラベルが貼ってあったけど、間違えて別のチャンネルを録ってしまって気づかずに保管していたと思われるテープだ。
中身は90年代のミュージックステーション。
ふつうに安室奈美恵が出ているし、そのほかのメンツがエモすぎる。
釘付けになって見てしまった。

どっちも当時はこれを残しておこうなんて思ってなかったものだ。
たまたま偶然残っていたもの。
むしろ当時は価値がないと思っていたものだった。
そっちの方が今の自分には価値があった。

海外で未開封のスーパーマリオブラザーズのファミコンソフトが発見され、とんでもない値段がついた。
2億円超えだって。
それ自体はレアな商品なんかじゃない。
市場に大量に出回ったもので、たまたま使用されず開封されてなかっただけのものだ。

本当に、ものの価値なんその時はわからないなと思う。

まさか、いらないと思っていたCMの方を見直したくなるとも思わなかった。
ましてやただ封を開けなかっただけのファミコンソフトが2億円になるなんて誰も思わない。

今持ってる価値観なんか、10年もしたらきっとひっくり返ってる。
いま大して価値がないと思ってるものが、実はあとで大きな価値を生むものになっているかもしれない。

だから意味のありそうなことばかり考えるより、誰も見向きもしないような、いまは何の価値もなさそうなものを、大切にしてもいいんじゃないかなと思う。

そんなことを先週書こうとしたんだった。

結局似たようなことを書いている気もするけど。

とにかく、無駄を愛そう!そういうことだ。


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