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【学会レポート】プライマリ・ケア学会とレゴブロック(後編)


二日目

学会発表

迎えた二日目。
満員電車に揺られながら、会場に到着。
発表する学生セッションへ。

他の発表はどれも興味深いものばかりでした。ユニークな調査・研究に触れることが出来るのも、学会の楽しみの一つ。
「おすそわけ」に関するJAとの共同研究や、在留外国人患者の新型コロナウイルスワクチン接種とリテラシーの関係調査など、目を引くものだらけ。
次はいよいよ自分の番です。

発表内容

Summarizeした発表内容は以下です。
「アンケート調査による広島県難病患者の通院負担の検討」

難病患者にとって重要な継続的かつ包括的な診療体制へのアクセスが整っているかについて検討が不十分な現状があります。
広島県でも、医師数・専門医数ともにかなり都市部に集中しており、偏在が進んでいます。
そこで、彼らを取り巻く通院状況を把握し課題を明らかにすることを目的に、2021年に広島難病団体連絡協議会の協力で広島県難病患者を対象としたアンケート調査を行いました。通院状況を地理的、時間的、心理的な負担に分けて解析しました。
その結果、患者は通常診療では利便性を求め、難病診療では専門性を求めている事がわかりました。
難病診療では、広島市内はほとんどの患者が同一医療圏内で通院しているのに対し、広島市以外は約7割が各医療圏外への通院を余儀なくされており、県外への通院を要する患者も5.6%いました。

難病患者の医療圏外への通院割合(発表スライドより)

また、難病診療は通院時間も長く、広島市内と市外で有意差を認めました。
加えて、内分泌疾患、小児疾患、呼吸器疾患は他の疾患領域の負担感と比べ強い傾向にありました。通院時間が同程度であっても、疾患により負担が違うことがわかりました。

発表を終えて

今回は質疑応答もあたふたすることなく対応できました。
終了後、セッションを聞いていた他の参加者の方からも嬉しい評価をいただき、参加してよかったと心から思いました。
質問いただいた先生にも突撃し、たくさんのご助言をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
賞を取れなかったことは悔しいですが、それ以上のものを得たような気がしています。

実は元々大学に入ったら研究をしようと息巻いて入試に挑んでいましたが、入学後はすっかりそのモチベーションが無くなっていました。
ですが今のインターン先で機会をいただき、発表を重ねるにつれてそのやる気が沸々と湧いてきています。
今後も探究活動に邁進していく所存です。

初めて参加したJPCA。
振り返って思うのは、あのバリエーションこそが「総合診療」でありこの学会の強みだということ。
そして、今回のテーマ「プライマリ・ケアのニューノーマル」を体現するような次世代医療の展示や共創を生む対話の機会の数々。

多様なステークホルダーが一堂に会し、学会を作り上げる様はまるで懇親会の時に見たレゴブロック。
形は違えど、重なり繋がって一つのものを形成する。
そんな光景が随所に垣間見えた学会でした。


最後に

今回もMediiの皆さんのお力添えでこのような貴重な機会をいただきました。
DtoD遠隔医療コンサルサービス「E-コンサル」を展開する株式会社Mediiでは引き続きともに活動するメンバーを募集中です。
100人に5人は難病患者といわれています。
一見少なく思えますが決して無視できない数です。
この人達は今回発表したように通院に負担を感じています。
その解決策が、このE-コンサルなのです。
そんなサービスを一緒に作っていける方、よろしければお力を貸してください。
よろしくお願いいたします。

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