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【ひつじが週報】191210-191216

●191210(火)

凪営業。パネル展期間中だけ店内で『26文字のラブレター』の書籍販売をおこなっている。新刊書籍を売るのは初めてのことで、学びが多い。関西に住む友人から本を買いたいとの連絡が入る。他の書店でもネットでも今の時代であれば買う手段はいくらでもあるが、「ひつじがで」買うことに意義があるとのこと。自分も買う側で、この本はここの本屋で買いたいと思うことはあるが、それを言ってもらえる有難さたるや。他の書店員さんもこんな気持ちなんだろうか。だとしたらもっと本屋で本を買おう。

●191211(水)

都々逸に関する展示をやっているからか、連日ふと言葉遊びが繰り広げられる。とあるお客様からされた相談。松任谷由実さんの『恋人がサンタクロース』の歌詞が「恋人が〜」と「恋人は〜」でどう意味合いが異なるかについて、カウンター席の全員で考えていた。初来店の方もいきなりのお題に独自の回答をされていて、文化度の高さを思い知る。普段見落としていた言葉の細やかな部分に気づけて楽しい。盛り上がってきたので、そのまま対義語当てクイズに発展した。「借金返済の反対は?」など数々のお題に対して、さながら大喜利大会のように回答を出す人々。途中言葉遊びが好きな京都の友人もLINEで巻き込んで、夜遅くまで言葉遊びに花を咲かせた。

●191212(木)

来年旅行でタンザニアに行くという人が初来店。人生で一度は行く機会があるだろうか。というかタンザニアってどこにあるのか。なんてことを考えながら、気軽に近場でできるチェアリングに誘う。静かな木曜日。

●191213(金)

ここのところ学生来店率が上がっていたひつじがで、この日は珍しく年齢層が高かった。紅茶屋さん。イラストレーターさん。翻訳家さん。絵本作家さん。いろんなジャンルのナイスミドル(人生の先輩)と今年を振り返る。トピックスの中にひつじがのことも入れて貰えてて嬉しい。色んな人が今年あった出来事の中に「ひつじが」の名前を入れてくれる。物凄く光栄だし、その人たちにとって日常の中にひつじががあるのがなんだか少し不思議でもある。来年はもう少しだけ多くの人の記憶の片隅に残るようなお店にしたい。

●191214(土)

年末に映画にまつわるゆるい催しを開くことになり、その打合せ。面白そうなので反響があれば来年は月一回ぐらい映画の日を作りたい。主催の方だけでなく、ひつじがには映画通が何人か来店されてよく映画をお勧めして貰う。自分で選ぶと確実に失敗するので凄く助かる。おかげで今年は満足いく映画体験ができた。来年はそれをもう少し自分の外に広げてゆるく映画談義ができる人を増やせたら。

就活の合同説明会帰りの学生と、来年から人材系の会社に務める学生と、すでに人材系の会社に勤めてる方と話していた。仕事の話。就活の話。学生は途中から仕切りにメモを取っていた。優しい先輩が多くて嬉しい。飲み屋で大人と話すことは就活にも(その後にも)役立つと思うので、その環境を整えたい。今年も就活生と向き合う時期がはじまる。そわそわしている。

●191215(日)

パネル展最終日。なんだってそうだけど、終わるのはさみしい。いつになく言葉を意識した贅沢な10日間。またこういう本や言葉に関する展示機会があればどんどんやっていきたい。滑り込みで見に来てくれた方や本を買ってくれる方も多かった。若い作家さんが遊びに来てくれて、来年個展をやる話に。個展開催は作家さんのタイミングに委ねたい(こちらからプレッシャーをかけたくない)し、別になきゃないで通常営業できるので、なるべくこちらからは打診しないようにしている。ひつじがでやって欲しい人も周りにいるけどできるできないは時の運。なので向こうから話を持って来てくれるのはうれしい。来年春頃に連続で開催する予定。乞うご期待。

●191216(月)

展示終了翌日は凪。読み的中。この場合の読みは別に全然的中しなくて良い。作家さんから手紙小説『ひつじがからの手紙』を貰う。わざわざ長崎で買って来てくれたとのこと。ありがとうございます。別のお店で個展最終日だった作家さんが搬出後大きな荷物を持って寄ってくれたので、遅くまで話していた。個展の感想。来年の構想。近況。他にお客さんがいない状況だからこそ、対面でじっくりお話ができた。賑やかなのも楽しいけど、こういう時間も良い。若い人の役に立ちたいですよね、という結論に落ち着く。皆が皆、それぞれのやり方で若い人の役に立てるような世の中になれば良い。ぼんやりとそんなことを考えた連休前。

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