最近遊んだマーダーミステリーゲームの感想【2024年②】
SNSがマーダーミステリーの感想とか作品評価についてわいわいしている中、まったく無視して自分の感想を投下。
これらも最近と言いつつ1月~2月頃に遊んだ作品群です。
個人的満足度基準
サイバーファミリー血の証明
• 版元:NAGAKUTSU
• 形式:店舗公演
• プレイ人数:8人
• プレイ時間:3時間程度
• 発売日:2023年10月頃~
• 参考価格:6,500円
• ハンドアウト:KIND
• 参考
個人的満足度:A+
ゲーム本編より前の話。大阪のNAGAKUTSUさんのイベントに行った際、「翌日の公演で1人欠員が出たので代打で参加してほしい」と言われ、ノコノコ行くとそこには著名な作家さんなどばかり……しかも初めてのペアマーダーミステリーで大丈夫か……?とだいぶ不安になったものの、終わってみれば非常に満足できた作品でした。
NAGAKUTSUさんがお金かけて部屋からまるごと作っているタイプのもので(部屋まるごと作るマーダーミステリーもはじめて)、GMも2人おり何から何まで豪華すぎた。
ゲーム本編については、半分くらいはマーダーミステリーというより謎解きゲームだったのだけど、進めていくにつれ「これはペア相手との親睦とか絆を深める為の装置なんだ」と分かった。ハンドアウトの丁寧な読み合わせパートもかなり重要だった。
僕の担当したキャラはKINDで、相方は兄という兄弟ペアだったのだけど、終盤には「この人はほんまに兄ちゃんなんや」としばらく余韻を感じるくらいにそのお膳立てがされていて、ペアマーダーミステリーとしてのゲームデザインの構築が素晴らしかった。
ミステリー部分を単体で見るとそんなに難易度が高くないと思うけど、豪華な舞台装置や情報量(現物)によってうまく情報が隠されており、ほどよいバランスに仕上がっていた。
これは本作というよりペアマーダーミステリー全般に言えることなのかもしれないのだけど、ペアになることでペア相手への興味や意識が強く向いてしまう一方、ペア以外の人にはあまり興味がわかないというジレンマは個人的にはどうしてもマイナスだと思う。これを解消したペアマーダーミステリーってあるんだろうか。
余談だけどリン役のGMさん(ねこもふさん?で合ってるか?)がすごくキャラとして魅力的で可愛くてやばかったです。みやびパパもよかったのだけどリンが強すぎた。
LIP DOLL
• 版元:osakajinrolab
• 形式:オフラインパッケージ
• プレイ人数:5人
• プレイ時間:3時間
• 発売日:2023年春
• 参考価格:3,500円
• ハンドアウト:夏川 澪
• 参考
個人的満足度:B-
化粧品メーカー主催のパーティで起きた事件の謎を解く話。
かわいいものやコスメが好きな女性達の世界をマーダーミステリーの題材にしたのは面白いと思うし、現代ものだけど非日常なので世界観は楽しみだった。ただその題材とマーダーミステリーがマッチしてないように感じた。というかマッチしてないのはやる前から分かっていて、それをいかにクリアしてくるかが期待のポイントだったのだけど、僕は楽しめるところまで至れなかった。
あまり楽しめなかった大きな点は、各キャラクターにフィクションさを感じてしまったからだと思う。
マーダーミステリーは各キャラクターが秘密を持っていることが多く、特殊な背景を背負っていたり、個性的なキャラ付けがされていたりするのだけど、本作はその表現が強く出ているように思えた。
「かわいいものが好きな女性達の世界」を超えた、個性の強い女性がたくさん出てくるという別の世界観を味わっているような感じがしていた。多分製作者の作りたかったものと僕の期待していたものが合っていなかったので作品がダメとかではなく本当にNot for meだったのかなと。
推理面とかキャラ同士の関係性とか、基本的な要素についてはおかしいところは無かったし、ちょっとしたギミックもあったりして面白く体験させる意図は感じた。
マーダーミステリーとして抑えるとこは抑えたちゃんと満足度は得られる作品だと思います。
余談だけど自分の担当した夏川澪というキャラがとある事情で自分に思いっきり刺さっていて笑った。そういうニアミスもマーダーミステリーの隠れた面白さなのかもしれない。
DESTRUDO
• 版元:pulp-books(TOXY GAMES)
• 形式:オフラインパッケージ
• プレイ人数:5人
• プレイ時間:160分
• 発売日:2022年5月
• 参考価格:3,500円
• ハンドアウト:Dyo
• 参考
個人的満足度:A
とにかくデザインが凝っていて、各資料に画像がついており、しかもそれが情報として意味を成しているのが良かった。情報量は多めで推理難易度は高めだと思う。珍しくハンドアウトのキャラクターが実写。全体を通してあまり見かけない雰囲気の作風。
資料が凝りすぎているが故に、よくあるコンポーネントのマーダーミステリーに慣れ親しんだ人だと戸惑ってしまうかもしれない。
全体的にサスペンスチックで、キャラクターも自殺志願者が集められているという設定上、かなり陰鬱な雰囲気のする作品なので、そういった要素でも問題ない方、そして難易度の高いシナリオで遊びたい人は是非プレイしてみて欲しい。
NpaNpa
• 版元:ぺよん潤/ロストプロダクトエンターテイメント
• 形式:オフラインパッケージ
• プレイ人数:2-3人
• プレイ時間:50分
• 発売日:2022年10月
• 参考価格:5,000円
• ハンドアウト:栗山 万譜
• 参考
個人的満足度:C
最初に書いておくと、僕はこの作品はちゃんと楽しめませんでした。
物語やキャラクターについて「そうはならんやろ」ってなるところが多いほど満足度が下がる。申し訳ないのだけど本作についてはそういう要素が物語にしてもキャラクターにしても多かった。
ネタバレの為詳しくは言えないのだけど、物語を進める上で前提となる部分からどうしても納得がいかないしキャラクターも何をやってるのかよく分からなくて、プレイ感がだいぶマイナスなほうに寄ってしまった。心の中のMr.シャチホコのアッコさんが出てきて「あなたは何をされてる方なの?」って言い出したのでもうダメです。
イラストとかデザイン面はすごく出来が良い。青春音楽部活物感が出ていて、意外とマーダーミステリーで見かけないタイプの題材だし雰囲気が良い。人数も3人で、2人プレイもできるという作品なので、そういう点では初心者向けには良さそう。
ただ値段が5000円とそこそこするのが引っかかる(特に自分でもパッケージのマーダーミステリーを作って、どれくらいお金がかかるとか裏のところがわかってきただけに)。
ミステリー面とか、キャラの行動原理とかそういうのはどうでもいいから青春部活物の作品をライトに遊びたいという人ならやってみるのはありだと思う。逆に上記で僕が引っかかってしまったのと同じようなことを別作品で感じてしまう人にはあまり勧められない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?