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二十歳の決断が、今の自分を作ってる。

普段は会社員として人事系のIT企業で働きながら、一般社団法人ハッシャダイソーシャルで地方高校生の進路選択の幅を広げる為に活動し、ピアニストとしてレストラン等でピアノ演奏も行っている石川拓海さん。
シモキタカレッジの共用部で高校生がたこ焼きパーティーをしているのを背に、「いいですね・・・こういうの」と、賑やかな雰囲気の中でインタビューを行いました。


大学を変える決断をした

「二十歳は、人生で一番大きな決断をしたタイミングですね。というのも、大学を変えたタイミングだったからです。当時大学2年生、元々東北大学の理学部でしたが、大阪大学の人間科学部、教育や社会学を学ぶために学校を変えました。それが今にも繋がっています。」

高校の頃は成績優秀でサッカー部、ピアノもひけるクラスのリーダーだった拓海さん。でも将来やりたい事は特になく、とりあえず東大を受験。浪人生になってからも、とりあえず東大を目指していたそうです。

「でも浪人の時に、「教育を学びたい!」という雷が落ちてきたんです。」
「自分が通っていた高校は進学への意識がバラバラで、勉強よりも人としての成長が大事、というのびのびとした文化だったのですが、浪人するために予備校に通い始めると、雰囲気が全く違う事に気が付きました。先生は講師、生徒は勉強の事しか考えてない、それが当たり前、という感じです。教育が人の考え方に大きな影響を及ぼしている事を実感して、「これを学びたい!」と強い衝撃を覚えました。」

人と人の距離を離す教育っておかしい

理系からでも教育学部を目指せる東大を志望していましたが、受験の結果、東北大の理学部に進学することになった拓海さん。勉強では自分のやりたいことが出来なかったので、部活ではアメフト部に所属し、飲食店でアルバイトをすることにしたそうです。

「アルバイトは、東北大以外の同世代の人と初めて交流する機会でした。色んな人が居ましたが、金髪の女子高生とか、フリーターの人たちがエースとして活躍していました。段取りもよかったし、トラブル対応も素晴らしかったし、シンプルにすごいなぁと思える人たち。」

「そういう人たちとの雑談で、「石川さんってどこの大学なんですか?」という話題になったときに、「東北大です」と言ったら空気が変わってしまって。「えー拓海さんって頭いいんですね・・・」「私なんてお先真っ暗です」「俺なんてフリーターだから・・・」みたいな雰囲気になっちゃって、なんて言ったらいいか分からなくなってしまって。
「あなたたちの方が凄いですよ」と言いたかったけど、何か嫌味に聞こえてしまいそうで素直に言えなくて。何も悪くないのに、罪悪感を感じてしまって。目の前で友達2人を失いそうになる気分でした。」

「思い起こせば、北海道での通学電車の中では、複数の高校の子達がお互い知らんぷりするような雰囲気がありました。普通に人として仲良くなれる可能性は十分あるのに、学歴や偏差値で見た瞬間、「自分とは違う層の人だ」と、その可能性を考えなくなってしまう。
今の、学歴や偏差値で測られる教育って、「人と人の距離を離している教育」だなと思ったんですよね。
予備校で受けた衝撃が再び蘇ってきて、「やっぱり教育を学びたい!」と思い直しました。」


葛藤を乗り越えて、人生を思いっきり変えてやる!

今の環境では教育を学ぶことはできないため、思い切って環境を変えることにしたそうですが、そこにも大変な葛藤があったそうです。

「アメフト部の繋がりがすごく強くて、練習はすっごいきつくて、挫折も経験したんですが、良くしてくれた先輩や練習を頑張ってきた同級生も多くて。ここで辞めたらチームを裏切ることになるのではないか?という罪悪感が大きかったです。でも教育を学びたい、でないと大学生活を棒に振ることになってしまう気がする・・・」
「毎日マクドナルドでノートを開いて、自分の事について考え書き続けていました。色んな人に相談もしました。その結果、大学を変えるという選択に至り、行くからには人生を思いっきり変えてやる!と大阪大学に行くことを決意しました。」

「大阪に行くために3か月で80万円を貯める必要があって、めちゃくちゃバイトもしましたね。朝は工事現場、昼は塾講師、夜はすき家。どんな仕事でも先輩たちはめっちゃ凄くて、学歴や経験は様々でも、尊敬できる人たちでした。」

ワガママになっていいんじゃない?

拓海さんに、今の二十歳の人へのメッセージを聞きました。

「『自分の人生にワガママになってほしい』ですかね。私は、二十歳の時の自分のワガママに感謝しています。『学びたい事があるから大学を変える』というワガママを通した事で、今があると思っています。
二十歳って、自分の人生を自分で選べるようになる歳だと思います。
自分のワガママを通す中で、色んな人と話して、改めて同じ人は絶対に居ない、自分の人生は自分で責任を取るしかない、自由に選べばよい、という事を知れました。
就職活動もそうだし、一般社団法人ハッシャダイソーシャルとの出会いもそうだし。
自分にワガママに、やりたい事を学んで、やっていくことで、人生何とかなるよな、と思えています。」

取材・編集 真庭伸悟


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