ポピュラー和声学「倍音とスケール」
自然発生する倍音とスケールには密接な関係性があります。
出典はこちら。
自然倍音列とは?
ある音を鳴らすと、その倍数の音(倍音)が自然現象として副次的に生まれます。この倍数の音のセットを「自然倍音列」と言います。
一部の音はピアノにない音程となり、
倍音を追い求めたバーバーショップなんかのジャンルだと、1/6低いシ♭の音を積極的に使用したりします。
倍音から生み出すスケール
倍音でオクターブの次に現れる音程は完全5度です。
この自然に発生する倍音と同じ音程を堆積していけば綺麗な和音ができるはずと考えたのが、古代ギリシアのピタゴラスで、ピタゴラス音律など呼ばれたします。
このピタゴラス音律によって最初に生み出せるスケールが、ペンタトニックスケールです。
ド→ソ→レ→ラ→ミと積んでいくと以下のようなスケールが生み出せます。
このスケールは世界のあらゆるところで見られる、非常に原始的で共通的なスケールです。
この次に倍音列から生み出せるスケールはなんでしょうか。
よく我々が学校でならう、「ドレミファソラシド」かと思いきや実は違って、
ド→ソ→レ→ラ→ミ→シ→ファ#
と、Cリディアンスケールが生み出されます。
我々が慣れ親しんだ、Cメジャースケールは、Fの音を起点としたFリディアンスケールによって作ることができます。
リディアンスケールはこのままだと、Ⅴの位置の和音でMajor7thが形成されてしまい、短7度から3度への解決がなく、完全5度(ミーシ)で安定しているので、ドミナント・モーションが生まれません。
対して、Cをトニックにすることで、Ⅴの位置の和音で7thが形成され、短7から3度への解決(ファ→ミ)、減5度(シーファ)が生じ、ドミナント・モーションが発生します。これが機能和声の根幹です。
まとめ
自然倍音列と我々が慣れ親しんだ音階との関係性について紹介しました。
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