ピストン和声 20ピストン「ゼクエンツ」
ピストン和声500ページ超をド頭からコツコツやってみようのシリーズです。
アメリカの音楽教育で最も広く使用されており、音楽理論の理由や背景についても記載された大変読みやすい理論書です。
今日は「ゼクエンツ」についてです。
ゼクエンツとは?
ある旋律やリズムや和声のパターンをを音高を変えながら反復していくことをゼクエンツと言います。音楽に反復の統一性と変化による多様性を与える手法です。
旋律的なゼクエンツは以下のようなものです。
和声的なゼクエンツは以下のようなものです。
4度進行を繰り返していますね。
反復パターンの最初や最後に強い和声進行があると、拍節的に明確なパターンをもつゼクエンツになります。またアウフタクトで始まるときは、いっそう流動的なゼクエンツになります。
ゼクエンツの長さ
ゼクエンツは一般的に、パターンが一回繰り返されるだけでは感じづらく、反復パターンが2回現れる必要があります。
逆に4回以上ゼクエンツを続ける場合は大抵途中でパターンを変化させることが多いです。
非転調型ゼクエンツと転調型ゼクエンツ
ゼクエンツには、反復パターンごとに調の中心音が変わる転調型ゼクエンツと、中心音が変わらない非転調型ゼクエンツがあります。
非転調型ゼクエンツの場合、音程や和音のパターンが多少変化することになります。先程の譜例だと、最初の2つは長3和音、次の2つは短3和音+長3和音というように和音が変化します。
転調型ゼクエンツは、パターンの最後の和音が軸和音となって展開します。
ゼクエンツにおける2次ドミナント
非転調型ゼクエンツで2次ドミナントを使用すると、主調の音階にはない音によって和声の色彩が豊かになります。
次回
次回は「減7の和音」に関するお話です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?