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日本人にとって陸路国境は憧れのポイント。そこに吹く風と風景をつまみに部屋飲みを。代金は税込み290円

コロナ禍で世界の多くの陸路国境が閉鎖されてしまった。しかしここにきて、アジアでも国境を開く話がもちあがっている。
まん延防止等重点措置が3月21日までで終わる。部屋飲みが日常になってしまった人にとっては、国境話はいちばんのつまみ? 動画では中国の新彊ウイグル自治区からキルギスに抜ける国境、トルガルト峠の話をたっぷりと。
 エッセイは僕が選んだアジアの国境5選を──。早く国境が開くことを願って。
 毎週日曜日に新しい酒飲み話が加わっていきます。
 部屋飲みのお供にどうぞ。

 

坂道をくだった先にイミグレーション

 陸路国境の多くは、車で通過してしまうところが多い。しかしそれでは味気ない。できれば国境は歩いて越えたい。
 ベトナムとラオスの間にはいくつかの国境がある。これまで5~6ヵ所の国境を通った。そのなかでいちばん味わい深いのが、ナムカンの国境だと思う。ベトナム側からはビンが起点。そこからバスは国境に向かっていく。
 国境は山の頂を走っている。ベトナム側のイミグレーションはその頂にある。そこを通ると、目の前にくだり坂がつづいていた。谷は霧がかかり、その間に赤い屋根の建物が見えた。訊くと、それがラオスのイミグレーションだという。山小屋風情である。

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¥ 290

新しい構造をめざしています。