水の反映

 私は三歳の頃からピアノを習っておりまして、大人になってから弾く機会は減ったものの、今でも土日を中心に練習をしています。

ドビュッシー「映像第一集」から”水の反映~Reflets dans l'eau~”

「亜麻色の髪の乙女」のようにポピュラーでもなく、耳馴染みは好みがより分かれるかもしれません。高度な演奏テクニックと繊細な表現力を必要とされる為、私が弾く場合はテンポを少し落として演奏します。(それでもミスタッチが多いですが…)三和音の連なりがカデンツァ風のパッセージに発展していき、変ホ長調のアルペジオはとくに水の余韻を表現する美しいものがあります。

 水の反映というタイトルではありますが、海よりも湖か池、川の水をイメージする方が多いのではないでしょうか? 海がない京都(市)では、鴨川の水の流れ、東山や北山の霞はDebussyの音楽が一番しっくりとくるものです。あとはRavelもそうですかね。京都人のある種、美的好奇心を満たすために自然を楽しんでいるそれと合致するのではないかなと思います。

この曲は多くの名演奏者によって弾かれ、特にリヒテルの演奏は私にとって一番の理想形です。(こう思うのは祖母の影響)この曲に限らずですが、演奏者を聴き比べるのもまた一興かなと思います。

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