見出し画像

降りますランプ

NHKラジオ「文芸選評」(短歌)のメモだった。
出題テーマも忘れてしまったけれど、
なぜか記憶に残っている短歌がある。
「終バスに2人は眠る紫の降りますランプにとり囲まれて」
遊びなのか、仕事なのかもわからないけれど、
疲れてしまって、どちらかの肩に頭をのせている、
その周りを、ワンマンバス特有の「ランプ」が点灯している。
それも2人を囲むように「紫色」が際立つ、
そんな情景が浮かび、いい作品だなぁ・・と感じた。
しかし、面白い解説があった。
(すみません、選者も忘れてしまいました。(汗))
実は私たちが、あっ、あれね・・とイメージしているのは、
「降りますランプ」ではなく「止まりますボタン」。
私にとって、へぇ、そうなんだ・・という発見もあったし、
現実を短歌にするからと、正直に表現したら、
「終バスに2人は眠る紫の止まりますボタンにとり囲まれて」、
これでは、字余りにもなるし余韻がないな、と感じた。
今考えると、押すのは乗客の私たちだから「降ります」がいい、
「止まります」だと、主役が運転手だもの。
まぁ、どっちでもいいんだけど、
単語1つで、こんなにイメージが変わるんだなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?