負け犬しもでさんの奇跡・46

しもでさん、初めてのG1タイトル決勝に臨む

2008年の夏。
第3期・最高位戦Classic決勝戦が始まろうとしていました。


決勝戦に進出したのは、

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「デモリー」と呼ばれる華麗なリーチアクションで、一部マニアに人気だった、出本誠司選手(プロ協会)。

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同時期に開催されていた、優駿杯(主催・日本プロ麻雀棋士会)で初タイトルを獲得し、プレイヤーとして旬を迎えていたAリーガー、佐藤崇選手(最高位戦)。

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タイトル獲得多数、一時代を築いてきたレジェンドプロ、金子正輝選手(最高位戦)。

上記の3人に加え、実績はゼロに等しい、実力を認められた事もゼロに等しい、しもでさん


ちなみに戦前の予想は、大半がこんな感じだったかと思われます。
このルールでリーグ戦が行われた時代に何度も最高位を獲得した、金子さんが本命。
Classicルール・最高位戦ルール・赤あり東風戦など、あらゆるルールでも対応できる、実力に定評のあるオールラウンダー、佐藤さんが対抗。

私が優勝するなんて、きっと誰も思っていないだろうなぁ。
そんな中、もしも自分が勝ったら、みんなどう思うんだろうなぁ。
自分が勝った後、周囲の空気はどんな感じになるのかなぁ。
などと、想像すればするほど、ジャイアントキリングの快感を味わいたくなっている自分に気付いたのでした。
さて、やってやりますか。

しもでさん、Classic決勝戦の観戦記を久々に読む

そんなわけで、決勝戦が始まるわけです。
その戦いの模様を執筆してくれた観戦記者が、若かりし頃の鈴木聡一郎選手(最高位戦)。

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「競技マージャンの観戦記者」という存在を知らしめた、パイオニア的存在です。
鈴木さん…、いや鈴木選手…、聡一郎さん…。う~ん、どう呼ぶにもしっくりこない。ここから先はソウちゃんで。
ソウちゃんがいなかったら、現在のような、色んな人が競技マージャンの観戦記を執筆するという状況にはなっていなかったように思います。
10年以上も観戦記者として活動してきただけでなく、戦術書の執筆に協力したり、赤坂ドリブンズの広報をやったり、選手以外の活動で競技マージャンを支えてきた、貴重な人材なのです。

そんなソウちゃんが書いてくれた、13年前の観戦記をご覧あれ。

第3期最高位戦classic決勝戦観戦記その①

第3期最高位戦classic決勝戦観戦記その②

第3期最高位戦classic決勝戦観戦記その③

観戦記者にベタ褒めされてはいるんだけど、しもでって人、ヤミテンしすぎじゃね
でも、当時はこのくらいのリーチ判断がClassicルールの主流でもあったのです。

押し引きについては当時とさほど変わっていない気がします。良くも悪くもですが。
あと、当時の決勝戦は10回戦あったのですが、ノーテンからの放銃が最終戦東1局の1回しか無かった事です。
放銃自体は何度かありましたが、それ以外は全てテンパイから。
観戦者からの感想で嬉しかったのは、
「オレならとっくに3回くらい放銃してそうだよ」
「しもでさん見ていて、安定感を感じましたよ」
と言ってくれた事ですね。

とはいうものの、当時のバランスやスタイルでは、現在のClassicルールで通用しないだろうなぁ、とも思います。
私が優勝できた理由の1つとして、Classicルールについて対策を講じる選手がほとんど居なかった事なんですね。
私が優勝した後、Classicルールの対策をしっかりと練る選手が増えてきました。
すると、当然ながら元々地力のない私が勝つのが段々難しくなるわけです。

その後、最高位戦Classicにプロ以外の方にも参加資格が与えられるようになったり、Classicプロアマリーグが開催されるようになったり、Classicルールに触れる環境が増えてきました。
そこで、Classicルールを体験する場所、勉強する場所を用意したいと思って始めたのが、「クラシックルール研究会(通称・クラ研)」です。
私自身も色んな人の思考が聞けたりして、勉強になりました。その甲斐もあって、2017年に3度目の決勝進出をする事が出来たのですが、詳しい事はまた別の機会で。

しもでさん、勝利の美酒に酔う

打ち上げの席には30~40人くらい来たのかな。
あと、当時のマージャンSNSに80件くらいの祝福コメント。
メールが30件くらい、電話の着信が10件くらい。
優勝を祝福されるのって、こんなに気持ちが良いものだったんですね。知らなかった。

その後、勢い余って新宿で朝まで2次会。
一時期の研究会仲間というか飲み仲間の水巻渉選手(最高位戦)、鈴木たろう選手(最高位戦)、平賀聡彦選手(最高位戦)、その他に2~3人いた気がするけど覚えてないや。
こうやって、自分が勝った時に付き合ってくれた皆さんには改めて感謝ですね。

自分が優勝した時に、いかに多くの人に祝福してもらえるか
これって、競技選手をやっている人にとっては大事だと思うのです。
むしろその瞬間を味わいたいから、今でも競技選手を続けていると言っても大袈裟ではないと思います。
自分の時は、色んな人の温かさに包まれた気分でした。
そう簡単にはいかないのは知っていますが、この快感は何度でも味わいたいものですね~。

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