見出し画像

死ぬほど胡散臭いゴシップを聞いたことがある

死ぬほど胡散臭いゴシップを聞いたことがある。

今から10年くらい前だったと思うが、見た目が浅黒くてイケイケしたちょっと苦手なタイプの人と魔都六本木で会食をしなければならないときがあった。名前を忘れてしまったので仮にAさんとしよう。

当時の自分はまだ起業して間もない頃で、どんな人付き合いが仕事に繋がるか手探りだったこともあってとりあえず声をかけてもらえれば何でも参加するようにしていた。だが、やはりこの時期の会食は苦手なタイプの人と出会ってしまう確率も上がって不毛な時期だったと今なら思う。無理してたなと。

Aさんは、今でこそビジネスマンだが昔はヤンチャだったという話や、抱いた女性の数の多さを自慢だったりと、こちらがリクエストした覚えのない話題を矢継ぎ早に飛ばしてくる人で、たぶん僕の手元に脱出ボタンがあれば椅子から火を吹いてレストランの天井をブチ破って退散していたであろうほど痛い方だった。

とはいえグイグイくるタイプだったので、なかなか帰るタイミングが掴めず二次会に付き合わされる流れでとあるバーに連れていかれることになった。

そして、そのときに店でたまたま居合わせたAさんの知り合いである変なおっさんを紹介された。赤だったか青だったかうろ覚えだが上下を同じ色の服で統一した50歳くらいのおっさんで、スタイリストに「胡散臭い感じで」と注文しないと実現しないような風貌の人だった。

Aさんいわく、このおっさんは芸能界などにも深いパイプを持つ偉い人らしく、世に出てないあらゆるゴシップを知っている人だそうだ。そしてそのゴシップを鳩に餌をやるようなノリでその場にいる人にバラ撒いてくれる人とのことだ。

類は友を呼ぶというか、Aさんを上回るあまりの怪しさにくらくらと目眩を覚えながらも「何かひとつゴシップを教えてください」とお願いしてみると以下のような話を教えてくれた。

ここから先は

711字

¥ 100

おおきにです。