不登校語り④現実と向き合った中3

1学期、高校決め。

 危機感を抱いていた中学3年。
 1学期は三者懇談と終業式のみ学校に行きました。三者懇談があった7月までは汽車通の定時制高校を考えていましたが、担任から同じく汽車通の全日制高校(レベル低め)を目指してみないかと勧められました。当時は、同じ中学の人がいるのは嫌だから近くの高校には行きたくないと思っていたので、汽車通学なら別にいいし目指してみるかな〜と思うくらいでした。
 夏休みの高校見学は、車で1時間かかる定時制高校に行きました。そこでわりとフリーダムな雰囲気だということがわかり、「定時制はなんか違うかな」と思って全日制にシフトしていったので、その定時制高校に見学に行ってよかったと結果的には思います。

 夏休みは課題に明け暮れ、夏休み明けにあったテストで今まで見たことのないくらい高い点をとってしまったのもあり、2学期が始まる頃は完全に全日制を視野に入れていました。
 そして何を思ったか、9月頃には汽車通学の高校ではなく、市内の高校に行くことを考え始めたのです。ここが最終的に受験する高校となりました。汽車は交通費がかかるから自転車で通える範囲のほうが家計的にも楽だというのもありましたが、一番の決め手は「周りの高校の中で最も内申(調査書)を重視しない」ことでした。内申と学力試験の比が130:250とかで学力重視だったので、ここなら内申がほとんどない私でもテストの点さえ取れたら受かるかもしれないと思ったのです。私立の滑り止めも受けないつもりだったので、落ちたら再募集で定時制を受ければいいや〜くらいの軽い気持ちでいました。これまた結果論ではありますが、小学校から仲の良い親友3人も同じ高校に行ったので、この高校に行ってよかったかなと思います。

2学期、現実との闘い。

 2学期はまず始業式に行き、その後しばらくは支援センターに行っていましたが、10月頃になると何度か相談室に行って勉強していました。どういう基準で学校に行くかセンターに行くか決めていたか全く不明ですが、学校に行ったりセンターに行ったり、まちまちでした。
 2学期は学校行事として運動会と文化祭があったので、参加はせずどちらも離れたところから傍観していました。運動会は3階の音楽室から、文化祭は体育館の一番後ろから。卒アルの写真撮影や進路説明会などの受験・卒業関連行事があるときもなるべく行くようにしました。文化祭は生徒に見られるのが嫌でずっと緊張していたし、休憩時間はずっと下を向いてました。ただ、話しかけてくれた人もいました。
 そして2学期の三者懇談で、担任に「教室に入れ」と言われました。受験も近いし覚悟はしていたけど、いざ言われると現実を受け止められず、帰りの車内で泣いてしまいました。今までそれだけは避けてきたけど、ついにこのときがやってきてしまったか。教室に入るなんて想像できない。そんな勇気ない。2年間遠ざかっている教室に入り、クラスの人と顔を合わせるなんてできない。「何こいつ」と思われないか、何か言われないか、また1年のときみたいに避けられないか……考えただけで泣けてきました。でも「親友と同じ高校に行くためにはやらないといけない」「友達も頑張って入っていたので自分も頑張らないといけない」という思いがあったので、頑張って教室に入ることを心に決めました。

ついに、2年ぶりの教室へ。

 12月の三者懇談で「教室に入れ」と言われ、さすがに3学期から入らないと担任に殺されるな…と思ってはいました(今思うとそんなこと絶対ないのに当時はそれくらい怖かったし追い詰められてた)。でも急に3学期スッと入るのは難しいだろうと思ったので、相談室の先生にも言われましたが2学期に1回だけでも練習を兼ねて入っておくことにしました。数ある授業の中でも、担任の教科(社会)の授業はみんな騒ぐことなく大人しくしているだろうと思い、とりあえず社会の授業に1度出てみることに。
 その日はもう、足取りは重く生きた心地がしない1日でした。昼食は喉を通らず、昼休憩も休んだ気がせず。でも同じ小学校だったクラスの子が迎えに来てくれて、相談室の友達も教室の前までいっしょに来てくれて、心強かった。腹痛と吐き気と闘いながら教室の前まではずっと下向いて歩いて、いざ入ると、クラスの人のすべての目がこちらを向いた気がして、即、下を向いてしまいました。そんな中でも小学校が同じだった女子3人くらいが「おー!」って声をかけてくれました。授業中はただ先生の話を聞いていれば良かったので、特にこれといったこともなく、無事に最初の試練は終わりました。当然、近くの席の人は全然話したことがない人ばかり、中には話したことはあるけど苦手な人も。この中で3学期を過ごすことを考えると先が思いやられるようでした。
 でも、とりあえず最初のミッションは達成できたので一安心。これでなんとなくハードルがひとつ下がった気がする。まだ冬休みがあるし、とりあえず冬休みは勉強しまくる。3学期が近くなったらまた考えよう。なんて考えて終業式を迎え、2010年が終わりました。

 そして、3学期からの生活への恐怖と不安と闘いながら勉強漬けの日々を送った冬休みが明け、地獄の3学期が始まります。続きは次回。

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