文章教室の先生は文章を教えるだけではなかった!

 「じゃあ10分で書いてみましょう!」

笑顔で簡単に言うけどね、先生!こっちの身にもなってくれ~!

先生に課題を出されると私の心はまるでムンクの叫びの如し。

これが私が数年前からしばしば教えていただいている小川こころ先生の文章教室の一面だ。

こう書くとまるで修行のような、パワハラのような教室と思われるかもしれないがもちろんそんなことはない。


10/18に小川こころ先生が初めて本を出された。

ストアカなどで開かれている文章教室の内容を惜しみなく公開されている1冊だ。

前半に基礎的な文章が上達する方法を5回に分けて書かれている。

中盤はさらに上をいくテクニカル的方法を、そして後半はブログ、SNS、note、食レポ、本や映画のレビューなど用途別の書き方といった内容だ。

「痒い所に手が届く」とよく言うが、この本は自分ですら痒いかどうか気づいていない、そんなところまで教えてくれる。一家に1冊置いておいて損はない。

さて、先生がせっかく本を出されたので、生徒としてはぜひとも出版記念パーティーを盛大に開きたかった。しかし、このご時世、文〇などの週刊誌にパーティーの写真を撮られたら逆に先生に迷惑をかけてしまう。そこで常連の生徒3人を相手に出版記念特別授業をこのたび開いてもらった。まったくもって贅沢な話である。

授業内容は、本の主要な部分を復習したり、載っている練習問題に取り掛かって講評をいただくといったものだ。

先生の授業は非常にわかりやすい。理屈っぽいところが一切なく、難しい言葉も使われない。まるで自分がおでんの大根になったかのように先生の一言一句が頭にしみていく。

そして今回あらためて気づいた。

小川こころ先生は引き出す力がものすごい!

練習問題では冒頭のような無茶ぶりを平気で言う。

加えて「せっかくだから一番苦手なテーマについて書きましょう」ときたもんだ。

何を書くかも決まってないうえに、一番苦手なテーマについて10分で書くなんて‥。先生との関係が上司と部下だったら、労基署に訴え出ること間違いなし!

ただねえ、不思議と先生の授業だと時間内に書けちゃうんだなあ、いつも。

「コンビニ強盗について書いてみましょう」

「この中で苦手なテーマは?香り?じゃあ香りについて」

こんな困難な練習問題もフィクションにしたり、香り→歯周病とひねったりして乗り越えられた。

思うに先生の授業では、考えることがストレスになるのではなく、喜びとなっているのだろう。そして自分の引き出しが全開になり、先生の教えが加わってどんどんどんどん筆が進む。

文章について教えることはもちろん、小川こころ先生は人の能力を引き出すことに抜群に長けていると気づいた特別授業であった。


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