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数年悩んでいた掌蹠膿疱症があっという間に治った話

「やっぱりストレスが原因かぁ」
紫煙をくゆらせながら、水ぶくれのような膿疱まみれの手のひらをながめ、ため息をつく。
15年ほど前の30代前半、私はタバコを1日に20本ほど吸っていました。

しょうせきのうほうしょう

掌蹠膿疱症は、「しょうせきのうほうしょう」と読みます。
膿が入った小さな水ぶくれのような膿疱が、手のひらや足の裏に数多く現れる皮膚病です。すねや膝・肘・頭などに症状が出る人もいます。
私の場合、手のひら、特に左手にひどく現れ、2~3年苦しめられました。
膿疱は、できると痒くなることが多く、どうしても、「痒い、手がかぃ~」とイライラし、かきむしって悪化させてしまいました。
かきむしると当然膿疱が破けます。手を洗ったり、風呂に入ると、沁みます。痛いです。ますますイライラ‥。
そして、皮膚病あるあるの一つ、人目が気になる。肘や膝なら長袖・長ズボンで隠せても、手のひらは隠せません。ずっと手袋をするのは無理。人目にさらして過ごすわけですが、「手がひどいね」と言われるのももちろん嫌です。けれど逆に何も言われないのも、それはそれで「気を使われているのでは」と考えてしまい、思考が蟻地獄。これが一番苦痛でした。
医者によると、「原因はストレスかタバコと言われてるけど、まだよくわかっていない病気なんですよ」とのことで、塗り薬を処方してくれましたが、一向に良くなりませんでした。
ちなみに金属アレルギーが原因の場合もあるそうです。

こんな病にかかり、原因を「ストレスかタバコ」と言われたにもかかわらず、私はタバコをやめませんでした。勝手に「原因はストレスのみ」と思い込んでいたのです。たいしてストレスを感じていないのに。脳が都合よく解釈し、原因からタバコは消去されていました。
相も変わらず、1日1箱吸っていました。
そんなある朝、いつもは目が覚めると同時に一服するのですが、「何分我慢できるかなあ」と思い、ちょっとタバコをやめてみました。
その時は、「1時間は無理だろう」「職場に着いたら一服するだろう」と思ってました。
まだ禁煙なんて大それたことは考えてなく、我慢大会で競争しているぐらいの気持ちでした。
ところが職場に着いてもまだ吸わない。
「10時まで我慢」「お昼まで我慢」と、少しずつ少しずつ目標を伸ばしているうちに、とうとうそのまま禁煙してしまい、今に至っています。
何の苦労もなく、禁煙できてしまいました。
そして禁煙すると、掌蹠膿疱症もどんどん良くなっていき、すっかりきれいになりました。
なんだ、原因はタバコだったんだ!
やっぱり俺にはストレスなんてなかったんだ!
あんなつらい数年を過ごすなら、さっさと禁煙すればよかった!

教訓
「医者の言うことは素直に聞こう」
そして
「目標は小さく」

いきなり「禁煙するぞ」と意気込んでいたら、失敗していたでしょう。
「〇時まで吸わない」と目標を小さくしたから、良かったのだと思います。
今、趣味にしているジョギングも、最初は週1回4㎞から始めました。
それがだんだんと5㎞になり、10㎞になり、週3回になり‥としているうちに、フルマラソンに出て、はたまた100㎞マラソン完走につながりました。
小さい目標が積み重なって、大きな達成につながるのです。

そう考えると、掌蹠膿疱症に苦しんだ期間も無駄ではなかったのかなあ。
これからもコツコツと歩んでいき、目下のところ、ダイエットを達成したいと思います。
これは禁煙より手ごわいけど‥。

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