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率先垂範

今朝の電車での出来事。
扉のすぐ横の座席の端っこで本を読んでいた。
数個目の駅で女子高生が扉脇に立ち、座席の仕切りに寄り掛かった。
背中に背負っていたリュックは前に背負い直して。
するとリュックの肩ひもが私の顔の前でぶらぶらと揺れた。
そこで女子高生の腕をトントンと叩いて、「ひもが‥」と言った。
女子高生はびっくりして固まった。
何が起きたのかわかっていないようだ。
「ひもが顔の前に来るんだよ」と再度教えた。
すると「すいません」と言って、車両の真ん中に移動した。
つり革や手すりにはつかまらず、時々よろけていた。

モヤモヤした。
社労士という仕事柄、部下に対する上司の正しい指導法のようなことも知っているつもりだ。
最近のトレンドは、ポイントを具体的に伝えることだ。
「しっかりやれ」ではなく、「このミスを防ぐにはどうしたらいいか考えよう」といった具合だ。
自分の今朝の態度はどうだっただろうか?
いきなり背後からおっさんに「ひもが」と言われても、そりゃわからないだろうな。しかも女子高生が。
「リュックのひもがこちらの顔に来ているから直してくれる?」と、わかるように言うべきだったな。
そうすれば驚かせることもなく、よろけそうになる場所まで行かせることもなかったな。
扉脇によりかかっているだけならこちらも迷惑じゃないし。

知識だけ仕込んでも自分が使えないようでは意味がない。
自然に行動できるようにしないと。
そう気づかせてくれた今朝の女子高生にお礼を言わなければ。
あ、でも本当にお礼を言うと「わけわからないおっさん」と警戒されるから心の中だけで。

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