24歳、妊娠
約6年間交際していた彼との間に子どもが出来た。
私は24歳、彼は23歳。
「子どもが出来たらちゃんと責任とる。」
そう言ってくれていた彼を信じていた。
妊娠を告げたら喜んでくれると信じていた。
妊娠検査薬で陽性が出た事を彼に告げた。
「困る.…。」
彼の表情は曇っていた。
私は動揺した。
翌日、職場の上司に相談した。
相談しながら大泣きした。
彼は私の妊娠を望んでいなかった。
それがとても悲しく、悔しかった。
仕事を定時で上がらせてもらい、産婦人科を受診した。
幸せそうにお腹を抱えている妊婦さん。
私と何が違うのだろう。
初めての超音波検査。
不安。痛み。器具の冷たさ。
胎嚢を見た時の感動。
自分が母親になるという事の不思議さ。
あの日の事は今でも鮮明に覚えている。
本当は堕胎の相談をしたかった。
1人で育てていける自信がなかった。
「妊娠5週目です。」
とにこやかに笑う医者を見て、
初めて妊娠を喜んでもらえた。
妊娠は喜ばしい事なんだ。
と涙が溢れそうになった。
産婦人科を出る時には、私の心は決まっていた。
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