IBMショック(清水勝彦研究室ブログ)

念のためこれはIBMの株価が急落したとか、すごい発明を発表したという話ではない。

先週KBS1年生のクラスでThomas Watson Sr.の「成長するには人の2倍失敗しろ」と言いう言葉を紹介した。彼が創業者であることを知らないのは仕方がないとしても、そもそもIBMを知らない学生が殆どだった。これは大ショック。(もともと日本IBMが開発した)ThinkPadを使っている学生もいたが、Lenovoの商品だと思い込んでいるようだ。

考えてみればIBMのスーパーコンピューターがチェスの世界王者に勝ったのが1996年。その後Watsonとかなんとか騒いでいたが、最近のAIブームの中で全く聞かない。ロメッティまでは覚えているが、CEOの名前すら(今は確かインド出身だった)覚束ない。これこそがショックの源かもしれない。

一時期日本IBMにいたこともある妻は「10年違ったら別の国、20年たったら別の星の人」とすっぱり。ビジネススクールに来ているのに、そんなことも知らなくていいのかと思うのだが、別の時代に育った彼ら/彼女らにすれば当然なのかもしれない。

だとすれば、本当に気にしなければいけないのは彼ら/彼女らは知っているけれど、自分は知らないことなんだと思いいたる。星の王子さまではないけれど、見えないこと、知らないことの中に本当に大切なことがあるのではと思うと怖い。

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