Are You Listening? Season 5の感想文

為になる本当のMIXを教えてくれるシリーズ。本当ってつけたら炎上するかもしれない。でも刺激的なので見てない人は見るといいと思う。

izotpe企画のEnrique Gonzalez Müllerによる1曲を通してMIXの具体的な手順を解説してくれる。

準備編

整理整頓
1.楽器ごとのグループ分け
2.順番(Dr→Bs→Gt→Key→Vo)
3.曲の流れでラベル貼る(intro、verse、prechorus、chorus、intensesolo)
4.バランス
各楽器の音量と左右のバランス、流れのコントラストに注目し、ラフに調整している。
また感情的にどうしたいかメモを取っていく。またストーリーをどう美味く伝えか、という意識が大切との事。

ドラム編

  • 大胆にKIKCの差し替え、スネアの追加をしていた。EQも大胆に行う。しかし、音をレイヤーする時に位相にも注意を払っている。

  • ローエンド、トップエンドの楽器を意識し、歯ごたえのあるサウンドを目標に据えていた。

  • キックやトップエンドの存在感に関し、リファレンスに基準を求める事もしていた。

  • 嫌な帯域、またはブーストしても違いを感じない帯域は結構カットしていた。

  • トランジェント、エンハンスディレイ、コンプ、EQで多くをコントロールしている。

  • ハットなどのハイエンドの音の調整にアナログEQで2khzのQを最小(つまり極限にワイド)にして徐々にブーストしていくのは面白かった。

  • タムにサブフィルタ、EQで劇的に変化するのは見どころ。

  • 退屈なシンバルはHASSしていた。

  • 音量のばらついたシェイカーが悪目立ちするので、ディストーションペダルで均一にしていた。

ベース編

・90年代を感じさせるラインに風変わりでモダンな感じを出す事が目標とされた。
・具体的にはザラサラと同時に滑らかでクリア感を出す事。
・方法はサチュ、EQ削り、コンプ
・ベースによりキックがどう変化するかに注目せよ、とのことだった。(キックが濁るのでキックのレゾナンスを上げていた。)
・ベースは高域にコンプでUP、エキサイタをかけていた。
・ドラムバスでダッキングさせていた。
・ベースアンプで中域を考えていた。
・奇抜!SSLチャンストのフェーダで10db上げて歪ませていた。
・ギターと重なり似た音をどう処理するか
→ワイドにフェイザー・フランジャーで高音強調。
  曲の後半サビだったので大胆に壊れた感じを作っていた。
・コンプによって失われたダイナミクスを他楽器(ギター)との
カラミを強調すべく オートメーションを書いた。
・大きすぎない事、スモールスピーカの為に低域だけなる場合は中域を上げておくのもよい。
 

ギター キーボード編
・まずはギターから
・明るくポップでパンチとモダンさを目標とされた。
・パンチ:中低域コンプ+キャラの強いOPTコンプ(AC/DCみたいに!)
・光沢:ギターアンプで中域下げ(ドンシャリに)
・100k以下6k以上を削っていた(ベースキックとシンバルクリアさを保つ)
・ドラムバスで少しダッキング
・リフの最後でHAAS細かく入れて、更に、アンプシミュ、ディストーションで極端に歪ませていた。

・サビ前の細かいサウンドは小さく鳴らし LoFI劣化、ディレイ、ダッキング。サビを強調。
・印象的なソロではラジオ的な歪を使った。
・似たフレーズの楽器をディレイとして扱った。

キーボード、SE
・SEはオートメーション、EQ、リバーブ、サチュ、コーラスとかでかなり汚したり、ぼやかしたり、削ったり、細かくゲインしたり。とにかく全体に与えるコントラストを意識していた。
・フランジャーでサイケデリックに、ローカットでクリアに。フレーズがベースと被って、ベースがブーミ―と感じたらベースに戻ってAMで下げていた
・キーボードもPADはダイナミクス無いので、盛り上がり前でATかけるなどしている。


ボーカル編

・メインとサブをはっきりさせる。
・サビ前の緊張感(けだるさ)、コントラストをどう出すか?がテーマだった。
・バース:透明感のあるコーラスと対照的にサビ前はかなり歪ませて、116msFB4%のアンビエントディレイを認識ギリギリでかけていた(スラップバックディレイ?)。
・コーラス:コンプ2度掛け(早めと遅め)で滑らかに、サチュとコーラスで艶出し。
・リバーブでプリセットポチポチもよくやる
・下ハモはかなりローカットやコーラス、ショートディレイを付与していた
・歪ませた後に、トランジェントかけてた。
・更にボコーダとトークボックス薄く掛けて奇抜に。
・サビ前のハモにフランジャ―。歪系でダイナミクスを取ったりする。
・脇役はディストーションとスラップバックディレイ、シマーリバーブ、ローカットが多い
・ATは丁寧に書いていた。単語単位で。

フィニッシュ編

一歩下がって聞いてみる。メモする。
ハットが弱い、クラップが弱いとかもっとグルーブを感じたい、とか

対処的にはATでゲインとかパンとかをいじっていた。
細かい調整でクラップを5db上げるなんてことも。
更にATでディレイや、無音部分やリバースディレイの挿入などを細かく追い込んでいた。

仮マスタリング

サビで周波数分布見てリファレンスと比較していた。
低域中域高域の3分割に注意して聞いていた。
EQ4か所ほど、1.5db以下の調整をしていた。
最後にマキシマイザーで11dbブーストしていた。
つまりmix時のレベルは-8~-10dbぐらい?


お疲れ様でした。


(バークリー音楽大学のHPより)
Enrique Gonzalez Müller
エンリケ・ゴンザレス・ミュラー

1999 年にバークリー音楽大学を卒業した後、エンリケ ゴンザレス ミュラーはプラント スタジオで音楽プロデューサー兼エンジニアとしてキャリアをスタートし、デイブ マシューズ バンド、ジョー サトリアーニ、ジョーン バエズ、MC ハマー、DJ クイック、レス クレイプール、そしてメタリカのメンバー。母国ベネズエラでは、カラメロス・デ・シアヌーロ、デゾーデン・プブリコ、ヴィニロヴァーサスなど、数多くのチャート上位アルバムをプロデュースしてきました。2009年、ロス・アミーゴス・インビジブルズとのコラボレーションにより、バンドはアルバム『コマーシャル』でラテン・グラミー賞を受賞した。、そしてこのコラボレーションは後に2018年にグラミー賞にノミネートされ、2020年にもラテングラミー賞を受賞しました。イタリアでは、ゴンザレス・ミュラーがL'Auraのアルバムをプロデュース、アレンジ、ミックスし、No.1を獲得しました。エリサとティナ・ターナーの「Teach Me Again」が1ヒット。米国では、ナイン・インチ・ネイルズ、ビクター・ウーテン、クロノス・カルテット、ジェイソン・ニューステッド(元メタリカ)と活動を続け、ウィントン・マルサリスとツアーを行っている。ゴンザレス ミュラーは、2015 年に教育者としての革新的な業績が評価され、バークリーの優秀教員賞を受賞し、2018 年にはバークリー オンラインの音楽制作の修士課程プログラム ディレクターに就任しました。2021 年、彼はバークリーに教育芸術コレクティブを設立しました。これは、科学と教育芸術における全体的な卓越性を促進し、最大化する汎大学の国際的な取り組みです。

キャリア
ラテングラミー賞を受賞したプロデューサー、Mejor Canción Alternativa (2020) および Best Rock/Alternative (2009)
ロス・アミーゴス・インビジブルズによる『エル・パラダイス』のラテン・アーバン、ポップ・ロック部門でグラミー賞にノミネートされたプロデューサー(2018)
クロノス・カルテット、デイヴ・マシューズ・バンド、トゥー・ショート、ナイン・インチ・ネイルズ、メタリカのメンバー、ジョーン・バエズ、ズッケロ、ロス・アミーゴス・インビジブルズ、ティナ・ターナーなど多くのアーティストと仕事をしてきたプロデューサー、レコーディング・エンジニア、アレンジャー。イタリア、ベネズエラ、米国のインディペンデントアーティスト
Plant Recording Studios (カリフォルニア州サウサリート) および Tiny Telephone Studios (カリフォルニア州サンフランシスコ) の元スタッフ エンジニア
グラミー賞サンフランシスコ支部の教育委員会のメンバー
カリフォルニア州サン・クエンティン州立刑務所のプリズン・ユニバーシティ・プロジェクトのボランティア教員
Berklee Online の音楽制作プログラムにおける Master of Music のプログラム ディレクター


素晴らしい動画をありがとう。

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