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スクラムフェス大阪2024で学んだ"対話"の重要さと良い対話をするために必要そうなもの

はじめに

2024年6月21日(金)~22日(土)に開催されたスクラムフェス大阪に参加してきました。私は今回新設された虎ノ門トラックから参加しました。

いくつかのセッションを拝聴させていただいたのに加え、ワークショップを行ったり休憩時間にお話をしたり。自分自身初めてのスクラムフェス登壇も経験してきました。
そこで得た学びをふりかえってみると、めちゃくちゃ当たり前かもしれないのですが「対話の大切さ」をしみじみと感じました。
そして、対話をするには前提として必要なものがあるな、というのも感じましたので、それについて書きます。

対話の大切さ

アジャイルマニフェストの記述

アジャイルソフトウェア開発宣言には、「プロセスやツールよりも個人と対話を」という価値が記載されています。

[出典]アジャイルソフトウェア開発宣言
https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html

これは経験的にも納得で、きちんと相手を尊重して対話を重ねることで、相手の価値観や方向性を理解することができ、お互いの相互理解が捗るように感じています。それによってチームが良い方向に向かい、結果的によいプロダクトが出来る、ということです。

ですので対話を重視しようと思って日々取り組んでいるわけですが、これがめちゃくちゃ難しい。"会話"ではなく"対話"をするのですから。

"会話"と"対話"の違いについて、こころの痛みに寄り添うときは 会話? 対話? カウンセリング?(広国市民大学)という資料では、

  • 会話:テーマの無い、日常のたわいもないおしゃべりや雑談

  • 対話:自由なムードの中でテーマを持った真剣な話し合い

とあります。
また、『他社と働く』という書籍では、対話のことを「新しい関係性を構築すること」と説明しています。

そして、この"対話"をうまく進めるにはどうも前提条件がありそうなのです。

対話をするには当たり前のことが必要そう

samuraiRedさんのセッション。

心に残ったのは結構序盤の「当たり前のことを当たり前にできているか」のところ。
「当たり前のこと」の例としてQCDS(品質、コスト、納期、スコープ)が挙げられていましたが、それだけでなく基本的な仕事に対する姿勢とか、常識的な礼儀とか、ベースとなる人間性とか、いろいろあると思います。

まずは「対話」の土台に立つために、「当たり前のことがちゃんとできているか?」という自己点検が大切なんだなと感じました。

対話をするには「言語化力」が必要そう

これは全体的に感じたことなのですが、会う人会う人みんなめちゃくちゃ言語化力が高いです。
自分が感じたこと、思ったことを言葉に乗せて表明する、というのがとてもうまいなーと感じていました。
これは口述(対話、会話など)でも筆術(資料、ふせんなど)でもどちらでも感じました。

私は「うーん、なんて言ったらいいんだろうな」「言葉がうまく出てこないな」って思うシーンが多々あり、訓練が必要だなと改めて感じました。

対話をするには「みんな」が必要そう

東京海上日動システムズさんチームのセッション。

「1人で組織を変革するパワーが出せないならみんなでやろう!」というところから、対話には「みんな」が必要なんだなと感じました。

セッションの中でもあったのですが、1人で何かをやるのは限界があるんですよね。だからチームで動く。だから「みんな」が必要。当たり前っちゃ当たり前なのですが、これは意外と忘れがちだなと思いました。

対話は1人では出来ません。
将来的に生成AIが対話相手になってくれる気配もありますが、人間が仕事をしている以上、人をリスペクトして、人との対話を楽しみたいなと改めて思いました。

対話をするには「リーダーシップ」が必要そう

吉田さんのセッション。

自己紹介スライドの「大事なことは銀英伝から学んだ」ということからして、もう早く対話をしたかったです笑。
それはそうと、私が吉田さんのセッションで最も心に残ったのが、「いかに主体性の喪失に陥らないようにするか」という点。
そして、「チームが一つの方向にまとまるためには、一定のリーダーシップが必要」であり「リーダーシップの目的はチームで価値を出すこと」と述べられていました。

私は、リーダーシップというのはいわゆる「リーダー」だけではなくて誰もが持ち合わせて良いものだと思っています。
リーダーにも、いわゆるサーバントリーダーとよばれる「縁の下の力持ち」的なタイプや、グイグイ引っ張るタイプ、冷静状況を見守るタイプ、いろいろいると思います。
そして、それらのリーダーシップには「あり方」「意見」が付随します。たまには「哲学」のようなものも。それってとても大切だと思うんですね。
私の好きな「ぼっち・ざ・ろっく!」を突然ぶち込むと、山田リョウの「個性捨てたら死んでるのと一緒だよ」です。

だからこそ、人と人とで相違が生まれ、対話が生まれる。
つまり、対話の源泉としてリーダーシップもあるのでは?、と感じました。

対話をするには「メタファー」が必要そう

私のセッション。

タイトルはだいぶアバンギャルドに攻めた感じですが、登壇後に「思ったよりいい話だった」という評価を頂きました笑。

それはそうと、自分で喋っておきながらなんですが、良い対話をするにはメタファーが必要だなと思いました。
私が尊敬するアジャイルコーチの方が、めちゃくちゃたとえ話の引き出しをたくさん持っているんですね。それがどれも分かりやすいし、納得感が高い。ほぇ~、そういう話をここで出すか~、分かりやす~、っていつも思ってます。

良いメタファーを使うと、記憶にも残りやすいし、誰も傷つけることなく対話がはずみます
じゃあ良いメタファーを放つスキルってどうやって学べばいいの?というのが次の命題になるわけですが、とにかく幅広い雑学や事例を知っておくことかなって思ってます。

なので、私の次のタスクは「送葬のフリーレン」を履修することです笑。

対話をするには「心理的安全性」が必要そう

虎ノ門トラックではOSTをやりまして、私は「アジャイルをどう説明する?」というテーマで話をしました。

たまたま最近仕事の中で心理的安全性が脅かされているシーンに出くわしたことがありまして、その場にいる誰もが「何か"ちゃんとしたこと"を言わなければならない」「ナメられないようにしなければならない」と考えていたように私には見えました。

それに比べると、この場はなんて居心地がいいんだろう!と思って、対話が弾みました。おかげで、PMBOKの話や人生の話にまで広がりました。
ここは心理的安全性が担保されている場なんだな、とつくづく感じました。

不思議なのが、今回がスクラムフェス初参加という方もいたのです。
ですが、そのような方もなんとなく場の空気感を読んで健全な対話が出来ていたのがとても面白かったです。
この現象、自己組織化といえばそれまでなんですが、すごいことだよな~(語彙力)と思いました。

おまけ

焼肉の話をしたから焼肉食べに行ったんでしょ、って思われるかもしれませんが、お昼はさっぱりおそば(おいしかった)、夜は中華でした(おいしかった)!

虎ノ門横丁のおそば

参加されたみなさん、おつかれさまでした!
対話していただいたみなさん、ありがとうございました!

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