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象の話まとめ

象がたくさん出てきた

RSGT2024では象の話がいくつかありました。
「今回のRSGTは象がよく出てくる」「象が増産」「象の日」といった言葉がチャットで流れ、廊下での雑談や飲み会でも「象といえば」みたいな感じで象の話で盛り上がりました。
もしかしたら、一生のうちでいちばん象の話をしたんじゃないかな、って感じがします。

ということで、象の話をまとめてみました。

象、死んだ魚、嘔吐

RSGT2024のDay2にてお披露目されたK.A.G.さんの新曲です。
このうち、「象」は「口に出さないけど全員が知っている課題」のメタファーとなっています。

私の認識では、これはthe elephant in the roomという英語の慣用句(ことわざ?)で、部屋の中に象のような巨大なものがいると明らかに誰の目にも入っておかしな状況なのに、誰もその事をあえて話題にしない、見て見ぬふりをする、というお話かと思います。

私はこの歌を聞いて、「あー、うちの会社にも象いるわ」と思いました。その後の雑談でも、「うちにも象いる」「象がいるぞう」と話が盛り上がりました。

もしかしたら、「象を探すぞう!」とかいって、社内にいると思われる象を出来るだけ付箋に書きだしていく、みたいなワークショップやったら、めちゃくちゃ盛り上がるんじゃないかって思いました。
今度マジでやってみようと思ってます。

群盲象を評す

こちらはシステムコーチングのセッションにて紹介されていたものです。

Wikipediaを引用させて頂くと以下の通りです。

群盲象を評す(ぐんもうぞうをひょうす、群盲評象)は、数人の盲人が象の一部だけを触って感想を語り合う、というインド発祥の寓話。

目隠しをした状態で象の鼻を触った人は「なにか長いもののようだ」、
象の足を触った人は「丸太のようだ」、
象の身体を触った人は「すべすべしているようだ」、
と、それぞれ感想を言い合う。
それぞれの理解は確かに正しいのだけれど、じゃあそれが象全体を表わしているかというと、そうではないよね、というお話です。

私はこの話は初めて聞いて、「たしかに、これまで一部だけを知って全体を理解したつもりになっていたことが多かったな」と思いました。

例えば、新規事業の創出活動をしているチームの支援に入った時の話。
私は30分間のヒアリングしてだいたい状況が分かったので、「こうしたら良いのではないか?」と提案をしました。
ところが、彼らは浮かない顔をしたのです。そしてその後こう言いました。「それ、誰に決めてもらえばよいですか?」と。

彼らは実はディシジョンメーカーがいない中で活動していたんですね。それどころか、主体性をもって活動できておらず、誰かに決めてもらうことを待っていたのです。私はそのことを理解せずに、一部の情報だけでアドバイスを与えてしまいました。

サーカスの小象

これは高校の部活動の顧問がよく話をしていたものだったので、「象」と聞いた瞬間に思い出しました。私の中では象といえばサーカスの小象です。単に「サーカスの象」と言われることもあります。

サーカス団の小象は、生まれてから鎖で杭につながれて毎日を過ごした。
小さいのでたいした力がなく、杭を引き抜くことができない。
やがて小象は大きくなり力がついた。
大きくなった小象にとって、杭を引き抜いて逃げることくらいたやすいはずだが、小象は「自分には力がない」と思い込んでいるから、何もせずにじっとしている。
調教師はそれを知っているから、鎖をロープに変えた。それでも小象はじっとしている。

この逸話は、学習性無力感を表すメタファーとしてよく使われています。
自分で自分の限界を決めてしまい、本当は少し力を出せば次のステージに進めるポテンシャルは持っているのに、もう何をやってもだめだと考えて試そうともしなくなる、という現象です。

以前こんなことを書きましたので、ご参考までに。

学習性無気力は非常にやっかいです。
私は「人は自分自身が学ぶという意志を持たなければ学ぶことは出来ない」と考えているのですが、学習性無気力に陥ってしまうと、そこから抜け出すための方法すら学ぶことが出来なくなってしまうため、アリ地獄のようにずっとその場に居続けるようになってしまいます。

会社を見渡すと、それに近い状態に陥っている方をたまに見かけます。そして、たまにそれをなんとかしてほしい、という相談を受けることがあります。そのような時の対応方法を、私はまだ知りません。

オツベルと象

言わずと知れた宮沢賢治の物語です。

以前SEで毎日のように残業・休日出勤で仕事をしていたときに、飲み会で同僚が「俺たちオツゾウ*みたいだよな」という話をしていたのを、おもむろに思い出しました。

*「オツベルと象」の略です。私はその時はじめてオツゾウという略称を知りました。一般的なんですかね。

オツベルは言葉巧みに象を騙します。そのお話が、上司や営業担当者が言葉巧みに技術者を騙して使い捨てにしようとする(ように思われる)状況にラップしたようでした。
私は、「うまいこと言うなぁ。」と感心しました。

もちろん実際には上司も営業も騙そうとしているわけではありませんでしたが、お互いの信頼関係ができてないと、オツベルと象のような悲劇が起きてしまうのかもしれません。

象徴、具象、抽象、印象

そんな話をしたり思い出したりしてて、象はなにかの象徴のようにメタファーやストーリーの題材として取り上げられることが多いんだな、と感じました。

ところで、この「象徴」という言葉には、よく考えたら「象」という漢字が含まれています。他にも、「具象」「抽象」「印象」などに「象」という言葉は使われます。

辞書を引いてみると、動物としての象の他にも、

  • かたち。すがた。ようす。ありさま。「現象」「対象」

  • かたどる。なぞらえる。「象形」「象徴」

といった意味合いがあるそうです。

これ、とても面白いですよね。

動物としての象が先なのか、ありさまとしての象が先なのか、その順番はよく分かりませんし、そもそも関連があるのかも良くわかりませんが、「象」からこんなに広がるなんて思ってもいませんでした。象のポテンシャルすごい。

ということで、象の話まとめでした。
もし他にもこんな象の話知ってるよ!という方がいたら、ぜひ教えてください。

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