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【開催レポート】第22・23回市民ゼロポイントブック

第22回・23回市民ゼロポイントブックトーク

開催日:第22回:2024年1月21日(日) 於:松本市中央公民館
    第23回:2024年2月18日(日) 於:松本市大手公民館

紹介した本:三枝三七子著、原田正純監修『みなまたの木 改定復刻版』(地涌社、2018年)

紹介者:三枝三七子さん

参加者:第22回:15人(企画運営委員含む)
    第23回:14人(〃)

企画概要については告知ページをご覧ください

開催レポート

第22回

 三枝さんによる1時間のお話で、水俣事件の歴史的経緯、病者への差別、便利な暮らしを支える経済システムは続いていることを話され、原田医師の言葉を引き、「想像力」が大切だと締めくくりました。
 また自身が絵本作成に携わることになったキッカケと『みなまたの木』を紹介されました。

会場から

Q 生物濃縮について 
A 水俣病で分かったのは、毒が胎盤を通過することだ。

Q 区別と差別の違いをどう考えるか?無関心であることも重要な気がするが。
 これについて、参加者でしばらく議論

Q 化学物質について
A プラスティックやホルムアルデヒドなど公害は過去ではない。

その他会場から:知っていたが、自分なりに取り組んでいきたい。

第23回

 2回目は三枝氏が多忙だったことから「水俣の現実から、水俣の人びと、読者、出版社のせめぎ合いの中で、作者はイマジネーションをどのように広げ、それをどのように作品『みなまたの木』(『よかたい先生』)で表現したのか?その制作プロセスを参加者と語り合うことによって、「水俣」の問題について、参加者が発見し、共有することを目的」と運営委員会でテーマでを設定し、開催しました。

Q 絵本で描かれる漁村、漁民は当時の状況とかなり変えていると思う。作者の意図
は?
A 絵本作品として、子どもに受け入れやすいようにしている。
会場から:絵本は心で読めばいいのあり、また事件の入り口になればいいと思うので、
事実にこだわる必要はないのではないか。

Q 絵本で子どもの遺体を引き取るところは、石牟礼道子さんの影響か?
A それもあるが、別事例もある。

Q 原田医師の言う生命の循環は絵本ではどのように反映されているのか?
 最後のおばあさんと子どものやり取りか?
A そうともいえる。

Q 最初の出版社に断られた経緯は?
A 最初に出版を断られたが、新聞報道されたため別の出版社で出すことになった。
Q それが外部からの圧力があったと考えるべきだ。

Q 現代と水俣のつながりは?
A 水俣に関係した企業は現代の名だたる企業が多い

Q なぜ苦界「浄土」というのか?水俣事件が「浄土」か?
A 患者が助け合うことを浄土と言っているのではないか。

Q 絵本で何を描こうとしたのか?政治と絵本の関係は?
児童文学は、世代を問わず、ミヒャエル・エンデのように、社会問題や文明批判をする潜在能力をもっているが、その能力をどう生かしたのか。
A 難しい質問だ…。

最後は音楽付きの朗読で締めくくりました。
会場の感想:大きな画面で見ると絵のよさが分かる。

(能勢)

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