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本日もよく歩きました。

最近は、妻と朝散歩をするのが日課だ。

数週間前、妻のほうから「コーヒーでも買いにいく?」と誘ってくれてノコノコとついていったのが始まりだった。

その翌日には僕のほうから「コンビニいくけど、いく?」とお誘いした。

いまとなっては「いきますか」という合図とともに2体の大人がコンビニへと歩きはじめる恒例行事となった。もはやなにも買わずに帰ることすらある。


この朝散歩が日課になって三週間ほどが経ったのだけど、なんというか、もう手放せないくらいにはどっぷりハマっている。

コンビニまで歩いて15分、往復でおよそ30分。

この30分という時間で、妻とたわいもない話をしたり、息子の可愛かった瞬間をシェアしあったり、たまにまじめな話をしたりする。


「マウントレーニアのカフェラテがうまいんだよね。ノンシュガーのやつ。あれ箱買いしたい」

「しないの?」

「単品だと170円するんだけど、箱買いでも値段変わらないから悩んでるんだよね」

「箱買いなら1個140円とかになってほしいよね」

「箱買いの良さってそこなのにね」

みたいな、どこにも着地しないふわふわとした会話をずっとしていることも多々ある。


この朝散歩を取り入れてから、とんでもなく毎日を気持ちよく過ごせるようになった。

たぶん、朝に日光を浴びることによるセロトニンとかなんとかもあるんだけど、それ以上に「今日も良い朝過ごしたな」という充実感がすごいのだ。

本日もよく歩きました。良い日でした。ありがとうございました。という気分になり、朝の時点で良い一日が確定してしまうような感覚すらある。

午後はほとんどウィニングランというか、力を抜いて流して過ごしてもよくなる。がんばって良い一日にしようとしなくてもよくなる。

朝の時点で大きなハナマルをもらえちゃうからだ。赤のサインペンでキュッキュッと描いてもらえる。それをにやにや眺めているだけの午後でいい。


思い返せば、朝の時間をこんなにゆったり過ごせるのは、久しぶりのことだった。

同棲したてのころは、僕はBARで働いていたので夜に出勤して、妻はひとりで過ごす。僕がお昼くらいに起きると、妻は出勤している。

かと思えば、妻が夜勤で朝帰りをして、僕がお昼から仕事の日もある。

そうやってすれ違いながら過ごしたこともあり、子どもが産まれてからも、なかなか朝に落ち着いた時間はとれなかった。

いまようやく息子が幼稚園に通いはじめて、こうしてゆっくり散歩しながら話す時間ができたのだ。

この時間の価値を、僕は知ってる。


大切な人とゆっくり話せる時間って、ちゃんと数えると、思っているよりも多くないんじゃないかなと思う。なんだかんだ忙しいことが多いもんね。

だからこそ、朝すこしでもいいから早起きして、時間をつくって、コンビニまでいこうよっていう口実をわざわざ用意して、散歩へと誘いだすのだ。


本日も、よく歩きました。よく歩いたら、よい日になりました。

そんな日々が、できるだけ長く続いたらいいなと思っているので、マウントレーニアは箱買いせずに歩いて買いにいくこととします。


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表紙とアナザーカットたち↓

⌇ 絵 えりちゃん(妻)
✎  文 しみさん(夫)

夫婦で絵本をつくるのが夢です。

日記のようなエッセイを書いています。
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